
広島市に本社を置き、福山市の備後本社、山口市の防長本社を加えた3本社体制で、広島・山口両県を中心とする中国地方に根差した情報発信を行っています。原爆・平和、安心・安全、地域主義を柱に、中国地方の生活や経済、スポーツなど幅広い分野の報道を通じて読者の信頼を築いてきました。創刊130周年を迎えた2022年には、ミッション「確かな情報でこのまちを守り、力づけ、おもしろくする」、ビジョン「このまちの未来をともに創造する地域応援企業グループに進化する」を策定。地域共創のプラットフォームとなる会員基盤サービス「たるポ」も始動し、新聞発行やニュース配信を主軸としながら、長年培ってきた情報力やネットワーク、地域からの信頼を生かした新たな事業にも取り組んでいます。
総務局次長 兼 人事総務部長 城戸 収 氏
総務局 人事総務部 担当部長 友川 秀一 氏申請業務の一元化・可視化という課題の解消に向け、業務の電子化や承認状況の可視化、ペーパーレス化による業務効率向上、多様な働き方への対応を見据えた取り組みを開始しましたが、その中で着目したのが、すでに利用していたGoogle Workspaceの活用でした。
当社では以前からGmailをはじめとするGoogle Workspaceを利用していました。新たにシステムを構築するよりも、Googleのクラウドサービスを活用する方が導入・運用の負担を抑えられると考えました。また、Google Workspaceとの連携性やセキュリティ面も評価し、「サテライトオフィス・ワークフロー for Google Workspace」(以下、ワークフロー)を採用しました。
ワークフロー導入の検討を始めたのは2019年です。当時は社内ポータルサイトの刷新も検討しており、その基盤としてGoogle Workspaceを活用する構想がありました。当時利用していたオンプレミス環境の社内向けホームページは、社外から閲覧できないなどの課題がありました。そこでGoogle サイトを活用した新たな社内ポータルの構築を進めることになり、それに合わせてワークフローの導入も検討しました。
その後、複数のワークフロー製品を比較検討した結果、Google サイトによる社内ポータル構築を前提に、2021年8月頃にサテライトオフィスのワークフローの採用を決定しました。選定理由の一つは、Google Workspaceとの親和性の高さでした。社内ポータルとの連携を見据えた運用がしやすい点に加え、コスト面も評価したポイントでした。社内ポータルはグループ会社による内製を予定していました。一方、他社製品ではポータル構築とワークフローをセットで提案されるケースもありました。その点、Google Workspace環境を生かしながら必要な機能を導入できることは、大きなメリットでした。
導入決定から3カ月という短期間で、情報システム部門が技術面の対応を進める一方、総務局では申請・稟議フォームの整備に取り組みました。紙からの円滑な移行を目指し、既存の様式に合わせた入力フォームを独自に作成しました。対象となるフォーム数が多かったため、作成と精査には一定の時間を要し、総務局の担当者も対応に追われました。この際、従来のフォームを単純にデジタル化するのではなく、項目の必要性を一つひとつ見直し、不要な工程を可能な限り削減した上でデジタル化を進めました。
紙で運用していた当時は、役員や局長など複数の決裁印が必要でした。しかし、それでは効率的とは言えないため、承認が必要な部署を必要最小限に絞り、決裁プロセスの簡素化を図りました。一方で、承認は不要でも情報共有が必要な部署については、独自の回覧設定を設けて対応しています。
こうした準備を経て、2021年12月にサテライトオフィス・ワークフローによる新たな承認プロセスの運用を開始しました。
長年紙ベースで行ってきた業務が変わり、決裁プロセスの効率化が進んだことで業務改善を実感しました。また、承認ルートが可視化されたことも大きな成果でした。
運用開始後しばらくは定着を促進するため、紙と電子申請を併用する期間も設けました。電子申請と紙申請の双方を利用できる形でスタートし、問い合わせがあった際には電子申請への移行を案内していました。ただ、実際には紙の申請は早い段階からほとんど行われなくなり、比較的スムーズに定着した印象です。特別な研修は実施せず、メールでの周知とマニュアルの提供を行った程度でしたが、現場でも問題なく利用が広がりました。
現在は稟議書をはじめ、出張申請や名刺発注、休業申請、さらに経理部門が構築した電子経費精算システムなど、社内のほぼすべての申請業務をサテライトオフィス・ワークフローに集約しています。申請業務の電子化も大部分で完了しました。
サテライトオフィス・ワークフローは操作が直感的で分かりやすく、利用者が戸惑うことなく移行できました。社員にも大きな負担なく利用されています。また、Google Workspaceのアドオンとして利用できるため、別システムへのログインやアカウント管理を追加する必要がありません。利用者からは、普段の業務環境の延長線上で操作できる点を評価する声も多く、円滑な定着につながったのではないでしょうか。
現在は約100種類の申請フォームに社内ポータルからアクセスできるようになっています。円滑な運用を維持するため、管理側では標準的なテンプレートや承認ルートをあらかじめ整備し、シンプルな構成を心がけました。導入時には従来のフォームも見直し、不要な項目を削減するなどの簡素化を進めましたが、基本的な内容は紙のフォームを踏襲したため、社員が混乱することなく移行できました。
一方で、組織変更や人事異動の際には、人的ミスを防ぐため運用担当者間での多重チェックを徹底しています。また、導入段階からシングルサインオン(SSO)を採用し、利便性を高めると同時にセキュリティも確保するなど、安全性と使いやすさの両立にも配慮しています。
最も大きな効果は、決裁スピードの向上です。スマートフォンやタブレットから場所を問わず申請・承認が行えるようになったことで、出張中やテレワーク時でも業務が滞りにくくなりました。また、承認状況を可視化できるようになったことで確認作業の負担も軽減され、年間約2400件の申請に関わる処理時間の短縮につながっています。さらに、入力ミスや手戻りの削減、過去の履歴検索の効率化も実現し、組織全体の業務効率化やペーパーレス化、関連コストの削減にも寄与しています。。
導入にあたっては、従来の承認ルートをそのままデジタル化するのではなく、承認階層の見直しなどを通じて業務プロセスそのものを見直すことが重要です。よりシンプルなフローに再設計することで、社内への定着や活用も進めやすくなります。また、製品選定時にはトライアルなどを活用し、自社の承認ルートや運用方針に適しているかを十分に検証することをおすすめします。導入時には事前の周知に加え、独自のマニュアルやQ&Aを整備することも有効です。
また、十分な人員を確保できる企業ばかりではありません。そのため、日々の業務を見直し、限られた人数の中でより大きな効果を生み出すには、自社の業務に適したシステムを活用していくことが重要だと思います。
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