第38回


「NotebookLMに社内資料を読み込ませたいけれど、入力データがAIに学習されないか不安」「個人アカウントで使っている社員がいて、情報漏洩が心配」と悩んでいるIT担当者は多いと思います。
結論からお伝えすると、NotebookLMはどのプランでも、アップロードした資料を生成AIモデルの学習には使いません。ただし「学習されない」ことと「企業として安全に使えること」は別問題です。NotebookLMを安全に運用するためには、会社が管理するアカウントで利用するのが最適です。
本記事では、NotebookLMが学習に使われるのかという結論から、学習させない設定の有無、個人アカウント利用のリスクなどを徹底解説します。
この記事を読めば、担当者として自信を持ってNotebookLMを社内に展開でき、機密情報を守りながら業務効率化を進めるヒントが見つかります。

結論として、NotebookLMにアップロードした資料は、無料版・Google Workspace版・Enterprise版のいずれでも、生成AIモデルの学習には使われません。
ただし無料の個人版だけは、フィードバックを送信した場合に内容が人の目に触れる可能性があります。
NotebookLMにアップロードした資料は、原則として生成AIモデルの学習には使われません。NotebookLMは、ユーザーが追加した資料をもとに回答を生成する仕組みであり、アップロードした資料は回答生成のための参照元として扱われます。
Google Workspaceで提供されるNotebookLMでは、アップロードした資料、質問内容、AIの回答が、人間のレビュアーによって確認されたり、生成AIモデルのトレーニングに使用されたりすることはありません。たとえば社内マニュアルを読み込ませても、その内容が他のお客様のために使用されたり、外部ユーザー向けの回答に流用されたりすることはありません。
そのため、機密情報を扱う企業でも、Google Workspaceの管理対象アカウントでNotebookLMを利用することで、データの取り扱いに配慮しながらAIを活用しやすくなります。
参照:Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ|Google Workspace ヘルプ
注意したいのは、無料の個人版でフィードバックを送信した場合です。
資料そのものが生成AIモデルの学習に使われることはありませんが、ユーザーが自発的に送ったフィードバックの内容は、品質改善やトラブルシューティングの目的でGoogleの担当者が確認することがあります。
つまり、「AI学習に使われない」ことと「Googleの担当者が確認する可能性がある」ことは、分けて考える必要があります。機密情報を扱う場合は、資料や質問内容だけでなく、フィードバック欄に入力する内容にも注意が必要です。
誰がいつフィードバックを送るかを組織で完全にコントロールするのは難しいため、機密情報を扱う前提であれば、Google Workspace版以上の利用を検討するとよいでしょう。あわせて、フィードバック送信時のルールを社内で明確にしておくことも大切です。
混同しやすいのが、「学習される」ことと「NotebookLM内で回答に使われる」ことの違いです。この2つはまったく意味が異なります。
「学習される」とは、入力した情報が基盤モデルに取り込まれ、他のユーザーへの回答にも反映され得る状態を指すからです。一方、NotebookLMが資料を読み込んで要約や回答を作るのは、あくまでその資料を一時的な参照元として使っているだけで、モデルに記憶させているわけではありません。
たとえば自社の議事録を読み込ませても、その内容は「あなた専用の参照データ」として扱われ、外部に学習・流用されることはないのです。
ただし、前述のとおり個人アカウント利用時にフィードバックボタンを押した場合は、その内容がレビューされる可能性があります。したがって、業務で利用する場合は学習されない方法での安全な使用が推奨されます。

「学習をオフにする設定はどこ?」と探す担当者は多いですが、結論としてNotebookLMに明確な「学習オフ」ボタンは存在しません。
既定で学習されない以上、本当に必要なのは「人の目に触れる経路を断つこと」と「会社が利用環境を管理下に置くこと」です。具体的に何ができるのかを整理します。
NotebookLMには、Geminiのアクティビティ設定のような「学習をオフにするスイッチ」は用意されていません。そもそも、どのプランでも入力した資料が基盤モデルの学習に使われない設計になっているためです。
具体的には、会社が管理するGoogle Workspace版、またはNotebookLM Enterpriseを利用することが、最も確実な「学習させない対策」です。
そのため「学習させない設定を入れる」のではなく、「学習にも人によるレビューにも使われないことが保証されたプランを選ぶ」という考え方が正解になります。ビジネス用プランと社内運用で守るのがポイントです。
個人のGoogleアカウントでも、フィードバックを送らない、共有範囲を絞るといった自衛策はありますが、企業利用では限界があります。個人アカウントは会社の管理下になく、ガバナンスを効かせる仕組みが備わっていないためです。
たとえば、誰がどの資料を読み込ませたかを会社が把握できず、退職時にデータを回収することもできません。社員一人ひとりの良心や注意に頼る運用では、設定漏れや認識のズレを完全に防ぐのは難しいのが実情です。
組織として安全性を担保するには、個人アカウントでの対策に頼るのではなく、管理機能を備えたプランへ切り替える判断が欠かせません。
「Geminiアプリで学習に使わせない設定をすれば、NotebookLMにも同じ設定が反映される」と考えるのは誤りです。Geminiアプリのアクティビティ設定と、NotebookLMのデータの取り扱いは別の仕組みとして考える必要があります。
個人向けのGeminiアプリでは、アクティビティ設定によって、会話データをGoogleのサービス改善に使用するかどうかを管理できます。一方、NotebookLMでは、アップロードした資料や質問、AIの回答がどのように扱われるかが、別途定められています。
Google Workspaceの対象エディションでNotebookLMを利用している場合、アップロードした資料、質問、AIの回答は、人間のレビュアーによって確認されることも、生成AIモデルの改善に使用されることもありません。Geminiについても、Google Workspaceの対象エディションで利用する場合は、組織向けのデータ保護の対象となります。
そのため、企業でNotebookLMやGeminiを使う場合は、個人アカウントの設定だけで判断せず、利用するアカウントの種類や契約プラン、管理者設定を確認することが大切です。

機密情報を扱う企業では、個人アカウントでNotebookLMを使い続けるのではなく、Google Workspace版NotebookLMやNotebookLM Enterpriseの導入を検討することが大切です。
どちらが適しているかは、自社の規模やセキュリティ要件によって変わります。それぞれできることを確認し、自社の状況に当てはめながら読み進めてください。
NotebookLM Enterpriseは、法人向けに提供されるNotebookLMです。個人向けNotebookLMとの大きな違いは、会社が管理するアカウントで利用できる点にあります。
個人向けでは、利用状況やアップロードした資料の管理が個人に委ねられます。一方、NotebookLM Enterpriseでは、ユーザー管理やアクセス管理など、企業利用に必要な管理機能を使いやすくなります。そのため、社内マニュアルや議事録、顧客対応資料などを扱う場合でも、組織としてルールを決めて運用しやすいのが特徴です。
また、音声概要にも対応しており、資料の内容をポッドキャスト形式で確認できます。なお、Excelファイルや外部ストレージ上のデータまでまとめて横断検索したい場合は、NotebookLM Enterprise単体ではなく、Gemini Enterpriseとの併用も検討するとよいでしょう。
詳しくは以下の記事をご参考ください。
NotebookLM Enterpriseとは?料金・機能や無料版との違いを徹底解説
Google Workspace版NotebookLMは、会社のGoogle Workspaceアカウントで使えるNotebookLMです。個人アカウントではなく、会社が管理する環境で利用できるため、社内資料を扱う場合でも管理しやすいのが特徴です。
アップロードした資料や質問内容、AIの回答は、生成AIモデルの学習や人によるレビューに使われません。そのため、社内マニュアルや議事録、顧客対応資料などを読み込ませて、要約や質問回答に活用しやすくなります。
また、管理者が利用できるユーザーや範囲を管理できるため、個人アカウントで勝手にAIツールを使うリスクも抑えやすくなります。まずは会社のGoogle Workspace環境で、安全にNotebookLMを使い始めたい企業に向いています。
Business Starterなどの基本プランからでも利用でき、まずはスモールに安全な環境を整えたい企業に向いています。

どちらにも入力データを学習・レビューしない安全性がありますが、規模やガバナンス要件によって最適なプランは変わります。主な違いは比較表で確認してください。
| 比較項目 | Google Workspace版NotebookLM | NotebookLM Enterprise |
|---|---|---|
| 提供形態 | Google Workspaceのコアサービス | Google Cloud版(単体契約も可) |
| 料金の目安 | Workspaceに付帯(Business Starter 月額800円〜) | 1ユーザー 月額約9ドル(約1,350円) |
| データのAI学習 | されない(契約上保証) | されない(契約上保証) |
| 人によるレビュー | されない | されない |
| 管理者の統制 | 管理コンソールで可 | Google Cloudで可 |
| 外部ID連携(SSO) | Workspaceの認証 | Entra ID・Oktaと連携可 |
| 最低契約数 | 1ライセンス〜 | 15ライセンス〜 |
| 対応ファイル例 | 一般的な資料・ドキュメント | Office(Excel・PowerPoint)直接対応ほか |
| 主な連携先 | Gemini(Workspace) | Gemini Enterprise・Agentspace |
| 向いている人 | 個人や少人数チームの社内利用、まずWorkspaceで始めたい企業 | 全社規模での展開や高度なガバナンス、既存ID基盤との統合が必要な企業 |
※2026年6月時点情報
個人や少人数チームでの社内利用に限定するなら、Google Workspace版でも十分に安全な環境を整えられます。
一方で、全社規模での展開や、既存のID基盤との統合・高度なアクセス制御といった要件が出てきた場合は、Enterprise版の導入を検討するとよいでしょう。
サテライトオフィスでは、Google Workspaceの導入から、NotebookLMの業務活用まで、貴社の状況に合わせてワンストップでサポートします。「うちの会社はどっちがいいだろうか」とお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。
※プライバシーポリシはこちら

無料の個人アカウントでも手軽に使えるNotebookLMですが、社内資料を扱う業務利用には見過ごせないリスクがあります。いずれも「会社の管理が及ばないこと」に起因する、代表的な3つを解説します。
個人アカウントでの業務利用で最も多いのが、会社の管理が届かない場所に社内資料が置かれてしまう問題です。個人アカウントは会社の管理コンソールの統制下になく、誰がどの資料を読み込ませたかを会社側が把握・制御できないためです。
たとえば「便利だから」と社員が自分のGmailアカウントで顧客リストや社外秘マニュアルをアップロードすると、会社のセキュリティポリシーやアクセス制御が一切適用されないまま、機密データが個人の領域に蓄積されていきます。
こうした「シャドーIT」を放置すると、情報資産が会社の管理外に分散し、万一の漏洩時に原因を特定することも難しくなります。
個人アカウントで作成したノートブックや読み込ませた資料は、その社員が退職した後も本人のアカウントに残り続けます。会社が所有・管理していないアカウントのため、退職時にデータを回収したり、アクセスを停止したりできないからです。
在職中に重要な社内資料を個人アカウントのNotebookLMへ取り込んでいた場合、退職後もそのデータが本人の手元に残り、紛失・流出や競合への持ち出しといったリスクが残ります。
会社側が削除を強制することもできません。一方でWorkspaceアカウントであれば、退職時にアカウントを停止することで、アクセスとデータを確実に管理できます。
個人アカウントでの利用では、ノートブックが誰にどこまで共有されているか、社内でどのように使われているかを会社が把握できません。利用状況や共有設定を一元管理する仕組みが、個人アカウントには備わっていないためです。
社員が善意で取引先や別部署にノートブックを共有しても、その範囲を会社が確認・制限する手段がなく、意図しない範囲に機密情報が広がる恐れがあります。さらに個人アカウントと会社アカウントが混在すると、共有や権限管理はいっそう複雑になります。
利用状況を可視化し統制するには、管理機能を備えた会社管理アカウントでの運用が不可欠です。

NotebookLMを安全に企業で使う最短ルートは、会社が管理するGoogle Workspaceに環境を整えることです。Google Workspace版のNotebookLMなら、入力データが学習に使われることはなく、退職者のアカウントに資料が残り続けることもありません。管理コンソールで利用範囲を統制すれば、シャドーITや共有範囲の不透明さといったリスクも、まとめて解消できます。
サテライトオフィスは、Google Cloudのプレミア認定を持つGoogle Workspace正規代理店として、Workspaceの導入から管理コンソールの設定、社内ルールづくり、運用・活用の定着までをワンストップで支援します。日本語サポートや独自アドオンも含め、専門知識がなくても安全なAI活用環境を整えられます。
NotebookLMを安心して全社展開するためのGoogle Workspace導入支援は、ぜひサテライトオフィスへご相談ください。
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NotebookLMを企業で導入する際に、担当者からよく寄せられるセキュリティ関連の質問に回答します。プラン選びと運用ルールづくりの参考にしてください。
A.NotebookLMの共有は同じ組織内に限定するのが安全で、社外パートナーへの直接共有には制限があります。
Google Workspace版のノートブックは、同じWorkspaceドメイン内のユーザーにしか共有できない仕様です。そのため社外と情報をやり取りする場合は、ノートブックそのものを共有するのではなく、必要な要約や回答だけを切り出して別途共有する運用が安全です。どうしても社外と協業する必要がある場合でも、共有範囲は最小限にとどめ、機密情報を含む資料は共有対象から外すなど、慎重な設計を心がけましょう。
A.会社が管理するGoogle Workspace版やEnterprise版であれば、社内資料を扱いやすい環境が整っています。
これらのプランでは、アップロードした資料や質問内容、AIの回答が、生成AIモデルの学習や人によるレビューに使われません。そのため、社内マニュアルや議事録、顧客対応資料などを読み込ませて、要約や質問回答に活用しやすくなります。
ただし、どの資料でも自由に入れてよいわけではありません。社外秘情報や個人情報を含む資料を扱う場合は、会社のルールに沿って利用することが大切です。
なお、無料の個人版で社外秘資料を扱うのは避けたほうが安全です。
A.はい。NotebookLM Enterpriseでは、入力した内容が生成AIモデルの学習に使われることはありません。人によるレビューにも使われません。
ただし、「学習に使われない」という点は、Google Workspace版NotebookLMでも同じです。つまり、学習させないことだけが目的であれば、必ずしもEnterprise版を選ぶ必要はありません。
Enterprise版は、より大きな組織で管理したい場合や、Google Cloud・Gemini Enterpriseと組み合わせて使いたい場合に向いています。まずは、自社のGoogle Workspace環境で使えるNotebookLMで足りるかを確認するとよいでしょう。
A.いいえ、Geminiの設定がそのままNotebookLMに反映されるわけではありません。
個人アカウントのGeminiアプリには、会話内容をサービス改善に使うかどうかの設定があります。一方、NotebookLMのデータの扱いは別に決められています。
業務で使う場合は、細かい設定を見るよりも、会社が管理するGoogle Workspaceアカウントで使っているかを確認しましょう。Workspaceアカウントであれば、GeminiもNotebookLMも入力内容が生成AIモデルの学習に使われません。

NotebookLMはどのプランでも入力資料を学習に使いませんが、企業が安全に使う鍵は「会社が管理するアカウントで利用すること」にあります。
Google Workspace版なら、人によるレビューもモデル学習も契約上行われず、管理コンソールで利用範囲を統制してシャドーITや退職者のデータ残存といったリスクも防げます。
個人や少人数チームでの社内利用ならWorkspace版で十分ですが、全社規模での展開や高度なガバナンスが必要なら、NotebookLM Enterpriseの導入も選択肢になります。「学習させない設定」を探すより、自社の規模と要件に合ったプランを選ぶことが、最も確実で手間のかからない対策です。
NotebookLMを安心して全社展開するためのGoogle Workspace導入支援は、ぜひサテライトオフィスへご相談ください。
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