第47回


「DXを推進したいが社内データが散在している」「データ量が増え、分析レポートの動作が重い」といったデータ管理に悩んでいませんか?
BigQueryとデータポータル(旧Looker Studio)を連携させれば、安全・高速な一元管理環境を築くことができます。
本記事では、BigQueryとデータポータルの役割や連携するメリット、料金、安全運用のための注意点を解説します。
この記事を読めば、データに振り回される無駄な時間を無くし、客観的なデータに基づいた迅速な経営判断を組織全体で実現するヒントが見つかります。

BigQueryとデータポータル(英名:Data Studio、旧称:Looker Studio)は、Googleが提供するデータ分析のための強力なツールです。これらを連携させることで、膨大なデータの蓄積・加工から視覚的なレポート化までを一気通貫で行え、社内のデータ活用と意思決定のスピードが向上します。

引用:サテライトオフィス
BigQueryは、膨大なデータを爆速で処理・保存できるデータウェアハウス(DWH)です。数億件のデータに対しても数秒でクエリ(検索・集計)処理が可能で、SQL(データを検索・加工するための専用の命令)を用いた高度なデータ加工やAIモデルとの連携にも対応しています。
データを安全に貯めて、自由に加工したい、データサイエンティストや情シス向けのツールであり、企業のデータ基盤を整える役割を担います。
BigQueryについては、以下の記事からご参考いただけます。
BigQueryとは?企業での使い方・料金・導入ポイントを徹底解説
データポータル(英名:Data Studio)は、誰でも直感的にダッシュボードを作成できる無料のBIツールです。GA4(Googleが提供する無料のWebサイト・アプリのアクセス解析ツール)やスプレッドシート等と簡単に接続でき、豊富なテンプレートを用いたクロス集計や、URLでの手軽なレポート共有が可能です。
データを見てビジネスの判断に活かしたいマーケターや経営層向けのツールです。
データポータルについては、以下の記事からご参考いただけます。
Data Studio(旧:Looker Studio)とは?できることや使い方を徹底解説!

データポータル単体でもデータ分析やレポート作成は可能ですが、BigQueryと連携させることで、企業のデータ活用レベルを大きく引き上げることができます。
BigQueryは、数百万〜数億件に及ぶ大容量データの保存・集計処理において圧倒的な性能を誇ります。あらかじめBigQuery側で高速集計を済ませ、軽量化した結果のみをデータポータルに読み込ませることで、レポート表示の遅延や画面のフリーズを完全に防ぎます。
データ読み込み待ちの無駄な時間を徹底的にカットし、ストレスのない快適なデータ分析環境を実現します。
標準のGA4はデータの保持期間が最長14ヶ月までという制限があり、過去の長期的な推移を追うことが困難です。さらに、データポータルからGA4へ直接頻繁にアクセスすると、割り当て制限(APIエラー)が発生し、画面が表示されなくなるリスクがあります。
これらの問題は、GA4データをBigQueryへ自動エクスポートすることで解決できます。データの半永久的な保存が可能となり、APIエラーも回避できます。
Webのアクセスログや実店舗のPOS売上データ、MA・CRM内の顧客データなど、社内にはさまざまな媒体のデータが存在します。これらをBigQueryにすべて集約することで、SQLを用いて綺麗に紐づけるデータ統合が可能になります。
最終的にデータポータル上で一元管理された1つのダッシュボードとしてまとめられるため、媒体をまたいだデータの比較・分析がより容易になります。

BigQueryとデータポータルは無料枠が用意されているため、基本的には無料で運用を開始できます。ただし、扱うデータ量やダッシュボードの使い方によっては料金がかかる場合があるため、事前に料金体系を正しく理解しておきましょう。
BigQueryを利用した一般的なデータ分析において発生するコストは、基本的にストレージ(データ保存量)とクエリ(SQLのデータ処理量)の2つのみと考えて差し支えありません。
これらには毎月一定の無料枠が用意されているため、中小規模のWebサイトのデータ量や一般的なGA4分析であれば、コストをかけずに運用できるケースが大半です。
無料枠を超えた場合は、1GBまたは1TB単位での従量課金となります。
【表】BigQueryの主要な課金項目と無料枠の目安
| 課金項目 | 毎月の無料枠 | 無料枠を超えた場合の料金(目安) | 無料枠超過の目安(利用イメージ) |
|---|---|---|---|
| ストレージ料金(データの保存) | 10GBまで | 1GBあたり約3.5円/月($0.023/月) | 中規模なサイトのGA4データなら、数年分溜めても数十GB(月数百円程度)に収まることが多い。 |
| クエリ料金(データの検索・集計) | 1TBまで | 1TB(1,000GB)あたり約950円($6.25) | 1回の検索で10GBをスキャンする処理を、月に100回実行すると無料枠(1TB)に到達する。 |
価格は2026年6月時点の情報です。
米ドルの日本円換算は1ドル=150円として計算しており、実際の請求額は為替レート等により変動します。
参照:BigQuery|AI データ プラットフォーム|EDW
データポータルは、レポートの作成数、アカウント数、共有人数にかかわらず、基本的な機能は無料で利用可能です。
一部、組織管理やチーム共有スペース、公式サポートが必要な企業向けに有料版(データポータルPro/1ユーザー月額9ドル)も用意されています。しかし、通常のデータ分析や社内でのダッシュボード共有であれば、無料版の機能だけで十分に事足りる仕様となっています。
参照:データポータル: ビジネス分析情報の可視化|Google Cloud

BigQueryとデータポータルの連携における、データの準備からレポート共有までの基本的な流れを4つのステップで解説します。
まずはGoogleアカウントを用意します。
個人の無料アカウントでも連携は可能ですが、企業で導入する場合は組織用のGoogle Workspaceアカウントを推奨します。組織アカウントであれば、社員の入退社に伴う権限管理を一括で行えるほか、退職者による情報漏洩リスクを抑えるなど、ビジネス利用に不可欠なセキュリティとガバナンスを確保できます。

Google Cloud Consoleへアクセスし、データを管理する単位となる「プロジェクト」と、その中に「データセット」を作成します。

データポータルの画面にある「データの追加」から、Google純正の「BigQueryコネクタ」を選択します。
先ほど作成したプロジェクトやデータセット、可視化したいテーブルを順に選んで接続ボタンをクリックするだけで連携は完了です。

連携後は、画面右側のフィールドから項目をドラッグ&ドロップするだけで、グラフや表を自在に配置できます。
完成したレポートは、右上の「共有」からURL発行やメンバー招待が行えるほか、指定した時間にPDFを自動送信するメール配信予約も可能です。

個人で手軽に試せるBigQueryとデータポータルですが、ガバナンスやコスト面での対策を怠ると、企業の信用を揺るがす重大なリスクに発展するケースがあります。
社員が個人の無料アカウント(@gmail.comなど)でデータ連携や権限の割り当てを行っていると、退職後に「社外の個人端末から重要データへアクセスされ続ける」という深刻な情報漏洩リスクが生じます。
また、ダッシュボードの作成者が引き継ぎをせず退職し、アカウントが削除されると、残されたメンバーが誰も編集できなくなるオーナー不在問題も頻発するため、Google Workspaceを活用した組織的な一元管理が必須です。
データポータルのデータソースとしてGoogleスプレッドシートなどを併用するケースは多く見られます。しかし、運用の手軽さを優先して共有設定を「リンクを知っている全員」にしてしまうなど、ヒューマンエラーによる情報漏洩リスクが潜んでいます。
これらを防ぐには、組織外への共有をシステム側で強制禁止できるGoogle Workspaceの管理機能を導入したり、アクセス権限の定期的な監査体制を構築したりする必要があります。
SQLの知識が浅い場合、不要なデータまで丸ごとスキャンする非効率なクエリを連発したり、データポータルの自動更新を高頻度に設定したりするといったリスクがあります。こういった運用を続けると、BigQueryの無料枠を一瞬で使い切ってしまい、数万〜数十万円の請求が届くケースも少なくありません。
高額課金を防ぐためには、適切なクエリ設計の実装や、社内ルールのマニュアル化が重要です。

Googleの認定パートナーであるサテライトオフィスでは、企業の安全で効果的なデータ活用をトータルでサポートするソリューションを提供しています。
「SQLが書けない」「見やすいダッシュボードが作れない」という企業向けに、専門エンジニアによる画面作成代行やデータ統合設計をサポートします。さらに、売上や顧客データだけでなく、社内の各種システムログの一元管理まで幅広く対応可能です。
予期せぬコストを防ぐため、スキャン量を最小限に抑えたコスト最適なクエリ設計や、運用のマニュアル化までセットで提供します。
データポータルとBigQueryのポテンシャルを最大限に引き出す、組織用アカウントGoogle Workspaceの導入・移行を支援します。
Workspaceの上位プランを導入することで、データポータル単体では制限されがちな組織内での高度なレポート共有や、BigQueryとのシームレスな大容量データ連携・自動同期が可能となり、データ活用の利便性が一気に向上します。
セキュリティ対策も含め、最適な環境構築・プラン選定までサテライトオフィスはワンストップで対応可能です。
Google Workspace導入支援については、こちらをご参考ください。
サテライトオフィス|Google Workspace/Google生成AI「Gemini」導入支援|Googleパートナーアワード連続受賞
サテライトオフィスの強みは、利便性と統制を両立させる自社開発された高度なアドオン技術です。アドオンを活用することで、標準機能だけでは一歩届かない緻密なアクセス制御が可能になります。
「社内IPからしかデータポータルやBigQueryにアクセスさせない」「会社が認可した特定の端末からしかログインできない」といった制限をかけることで、金融機関や大企業レベルの極めて強固なデータガバナンス環境を構築できます。
BigQuery・データポータル(旧:Looker Studio)分析ソリューションは、クラウド全アドオン導入約8万社突破の実績があります。
BigQuery・データポータル(旧:Looker Studio)分析ソリューションについてはこちらをご参考ください。
BigQuery/データポータル(旧:Looker Studio) 分析ソリューション | クラウド全アドオン導入約8万社突破

BigQueryとデータポータルを組み合わせたデータ活用について、よくある質問に回答します。
A.はい、毎月一定の無料枠が用意されています。
ただし、予測モデルの作成や実行にかかるデータ処理量によって料金が変動するため、企業の本格的な大規模データの分析・予測に利用する場合は従量課金が発生する可能性があります。
予期せぬコスト負担を防ぐためにも、導入前に料金シミュレーションを行っておきましょう。
A.はい、現在はGoogle Cloudの製品ファミリーとして正式に統合されています。
もともとは独立したツールという位置づけでしたが、Google Cloudの一部となったことで、GCPが持つ強固なセキュリティガバナンスやインフラとの親和性が大幅に強化されました。企業の重要なデータを扱う際も、より安全かつ一元的に管理できる仕組みが整っています。
A.主にデータに基づく迅速な経営判断やマーケティング施策の立案に活用されています。
具体的には、以下のような部署をまたいだ高度なクロス集計業務に最適です。
A.データをグラフ化して分析するという目的は似ていますが、強みが異なります。
データポータルはGoogle製品(GA4やBigQuery)との連携が最も得意で、基本機能が完全無料です。一方、Power BIはMicrosoft製品(Excel等)と親和性が高いですが、組織内での共有には有料ライセンスが必要なケースが多いです。自社の基盤に合わせて選ぶのがおすすめです。

BigQueryとデータポータル(旧Looker Studio)の連携は、GA4の制限突破や複数データの統合、圧倒的な処理スピードなど、企業のデータ活用を加速させる数多くのメリットをもたらします。
ただし、適切な設計を怠れば、予期せぬ高額課金や情報漏洩・データ流出といった重大なリスクを抱えることにもなりかねません。
サテライトオフィスでは、コストを最小限に抑えるクエリの最適化設計から、Google Workspaceを活用した安全なインフラ構築、アドオンによるガバナンス強化までワンストップで支援いたします。
データ活用基盤の構築やセキュリティ対策に課題を感じている企業様は、ぜひサテライトオフィスへご相談ください。
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