第48回


「Microsoft 365を使って社内の稟議書や申請書をデジタル化したい」「自社だけでワークフローの構築ができるのか」とお悩みではありませんか?
すでにお使いのMicrosoft 365を活用すれば、新たにシステム投資をすることなく貴社のワークフローを構築し、業務効率化を図ることができます。
本記事では、Microsoft 365を活用したワークフローの具体的な作り方やツールの特徴を詳しく解説します。この記事を読めば、運用面でぶつかりがちな課題の解決策が分かり、自社にとって最適なデジタル化へのステップが必ず見つかります。

ワークフローとは、社内の申請・承認手続きの業務プロセスをデジタル化し、自動化・効率化するための仕組みです。ワークフローを構築し、一元管理・完結させることで、企業の意思決定のスピードを圧倒的に向上させることができます。
社内業務のデジタル化を推進する上で、ワークフローシステムを構築することで、以下の効果が期待できます。
業務効率化だけでなく、経営判断の迅速化や企業全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させることが、ワークフローを構築する本質的な価値といえます。
現在のMicrosoft 365は単なるオフィスソフトの集まりではなく、業務プロセスを自動化する連携機能を備えたプラットフォームとしての側面を持っています。
Microsoft 365上でワークフローシステムを構築する際は、主に以下の3つのサービスを組み合わせて使い方を設計していきます。
【主要ツールの役割・特徴一覧】
| ツール名 | 主な役割 | 主な特徴と得意領域 |
|---|---|---|
| Microsoft Teams | インターフェース | チャット上での手軽な申請・承認や通知 |
| SharePoint Online | データ基盤 | 申請データや過去の稟議書の保存・一覧管理 |
| Power Automate | 実行エンジン | ツール同士を連携させた自動化フローの構築 |

ここでは、先述した3つのツールの具体的な使い方や特徴、そして導入前に必ず押さえておきたいメリット・デメリットを解説します。
Microsoft Teamsの標準機能である「承認」アプリを活用すると、簡易的な申請・承認ルートを手軽に作成できます。
Teams内でアプリを立ち上げ、承認タイトルや承認者、添付ファイルなどの必要事項を入力するシンプルな使い方です。申請者は普段のチャット画面から起票でき、承認者もTeamsの通知から承認アクションを行えるため、業務のスピード感が圧倒的に向上します。
Teamsを活用するメリットは、使い慣れたチャットの延長線上で操作できる点です。ユーザー教育の必要がなく、対象ライセンスを契約していれば追加コストなしで始められます。
ただし、複雑な条件で分岐させたり、過去の申請データを一覧で検索・閲覧させたりといった高度な管理機能は備わっていません。あくまで備品購入や休暇申請といった、簡易的かつ定型的な申請業務に限定した使い方が一般的です。
本格的に業務自動化を目指すのであれば、実行エンジンであるPower Automateを主軸にした作り方がおすすめです。「Microsoft Formsで申請が送信されたら」というトリガーと、「上長にTeamsで承認依頼を通知する」というアクションを組み合わせて、ノーコードやローコードで構築していきます。
このツールのメリットは、Microsoft 365の内部アプリ同士の連携だけでなく、外部の各種クラウドサービスとも連携した高度な自動化プロセスを実現できるという柔軟さです。例えば「承認が完了したらPDFを自動生成して指定の場所に保存する」といった複雑な一連の処理も自動化できます。
プログラミングの知識自体は不要なものの、条件分岐やエラーが起きた際の処理を設定するには、一定のITスキルや論理的思考が求められます。そのため構築や運用が複雑になり、属人化しやすいというデメリットがあります。
SharePoint Onlineは、ワークフローを通したデータ管理や内部統制を重視する際に有用です。作り方は、SharePoint内のリスト機能をデータベース(申請書の保管場所)とし、Power Automateの自動化フローと組み合わせていきます。申請された内容はデータとして、指定のサイト内へ自動的に蓄積されていく仕組みです。
大量の申請データを一覧で可視化できるため、過去の稟議書の検索や現在の進捗状況の確認が容易になります。また、フォルダやアイテムごとに閲覧・編集のアクセス権限を細かく設定できるため、セキュリティやガバナンスの面でも信頼性の高いデータ基盤を構築できます。
しかし、画面デザイン(UI)の自由度が低く、日本企業が従来使ってきた紙の稟議書に似たレイアウトを再現することは困難です。入力画面を作り込む場合は、Power Appsなどの別ツールを組み合わせる必要があり、開発のハードルが上がってしまいます。

Microsoft 365の機能を活かして社内のペーパーレス化や業務効率化を進めるためには、導入前後の進め方や管理体制に配慮することが大切です。
Microsoft 365でワークフローを構築する前に、まずはこれまでの紙やExcelで行っている申請業務のルールを棚卸し・整理することが重要です。
非効率なルールのままデジタル化を進めると、処理が複雑になってしまうケースが少なくありません。誰が申請し、どのような条件で承認され、最終的にどこに保管されるのかというプロセスを、シンプルに整理しておくことで、ツールへの落とし込みがスムーズになります。
最初から全社一斉にデジタル化しようとすると、社内の混乱や運用の破綻を招きかねません。
ワークフローの導入を成功させるためには、ルートが単純で利用頻度の高い業務からスモールスタートしていきましょう。
例えば、総務部の備品購入申請やIT部門のアカウント発行申請といった、限定された業務からテスト運用を開始します。ユーザーがシステムへの申請方法や使い方に慣れてから、段階的に全社へ展開していくことで、現場の抵抗感を減らし安全に移行を進められます。
運用開始後は、定期的な組織変更や人事異動に伴う承認者の変更、あるいは新しい申請フォームの追加などが頻繁に発生します。そのため、これらのメンテナンス体制についてあらかじめ対策を講じておく必要があります。
具体的には、各現場のリーダーがどこまでフォームの管理や修正に関わるのかといった運用のルール作りを進めておくことです。すべてをIT部門に丸投げしてしまうと、特定の部署に負荷が集中して変更対応が遅れ、結果として社内全体の運用が停滞する原因になりかねません。

Microsoft 365の標準機能は非常に優秀ですが、自社の業務すべてを無理にワークフロー化しようとすると、システムが複雑化してしまい、承認漏れや処理の遅延といった運用上のトラブルを招きかねません。
Microsoft 365はグローバルスタンダードの仕様に基づいて設計されています。そのため、日本企業特有の承認ルートに対応させようとすると、設計・設定が複雑化してしまいます。
例えば、以下のようなケースです。
これらをPower Automateで実装しようとすると、フローの構造が複雑に絡み合ってしまいます。結果として、頻繁な設定変更といった業務が発生し、運用の維持に現場が疲弊するといった課題を生み出します。
Microsoft Formsなどの標準的な入力フォーム機能は、誰でも使えるように極めてシンプルに作られています。そのため、項目が細かく配置された紙の稟議書やExcelの申請書のような、緻密なレイアウトを再現することは極めて困難です。
フォームの使いにくさは操作性の低下に直結するため、現場から不満が出たり、システム自体が浸透しなかったりというリスクを伴います。
一方で、Power Appsなどの自由度が高いツールは、高度な開発スキルが求められ、ノーコードによる手軽な構築からは遠ざかってしまいます。
Power AutomateやSharePointを駆使して、複雑なルールや画面を構築しようとすると、社内のITスキルが高い特定の人に依存せざるを得なくなります。これこそが属人化(ブラックボックス化)の始まりです。
構築した担当者が異動や退職をしてしまった後、フローにエラーが起きた際や設定変更が必要になった際に「社内の誰も修正方法がわからない」という事態に陥り、ワークフローの運用自体が完全にストップしてしまう危険性があります。
この属人化リスクは、長期的にシステムを運用していく上で無視できない大きな課題です。

Microsoft 365の標準機能における限界をクリアにするのが、連携型アドオン「ネクストセット・ワークフロー for Microsoft 365」の活用です。本製品を提供するサテライトオフィスは、8万社以上のアドオンの導入実績をもつ、国内トップクラスのクラウド導入支援パートナーです。
独自のアドオンを導入することで、標準機能では構築が難しかった高度な要件を、すべてノーコードで簡単に実現できるようになります。
企業の習慣に合ったシステムを、低コストで手に入れられることこそが、独自アドオンを導入する最大の強みといえます。
サテライトオフィスは、自社に専任のIT担当者がいない企業や、自社での構築に不安がある企業向けに、専門スタッフが要件定義から構築までをサポートするワークフロー有料作成支援サービスを提供しています。
プロが導入を一括でサポートするため、社内のリソースを圧迫することなく、短期間で実用的なワークフローシステムを立ち上げることが可能です。
サテライトオフィスの「ネクストセット・ワークフロー for Microsoft 365」の詳細は、以下のページをご参考ください。
ネクストセット・ワークフロー for Microsoft 365 | クラウド全アドオン導入約8万社突破
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Microsoft 365を活用したワークフロー構築に関して、担当者様からよくいただく質問に回答していきます。
A.システムが複雑化・属人化しやすい点がデメリットです。
標準機能だけで複雑な承認・回覧ルートやハンコ文化に対応させようとすると、構築・メンテナンスの難易度が極めて高くなります。グローバル仕様のMicrosoft 365を、日本の組織変更や多段階の条件分岐に合わせるには多大な工数がかかり、結果として属人化を招きがちです。
A.すでにライセンスを契約していれば、追加料金なしで構築可能です。
TeamsやPower Automate、SharePoint Onlineの標準機能を使うことで、実質無料で構築をスタートできます。ただし、外部システムとの高度な連携やプレミアムコネクタと呼ばれる有料の接続機能を使用する場合は、別途追加のライセンス費用が必要になる場合があります。
A.はい、外出先やスマホからでも申請・承認が可能です。
モバイルアプリを活用することで、時間や場所を選ばずに承認アクションを行えるため、稟議の停滞を防ぎ、意思決定のスピードを大幅にアップさせることができます。
A.どちらのライセンスを業務のベースにされているかによって判断することをおすすめします。
ExcelやTeamsが中心ならMicrosoft 365、GmailやGoogleドライブが中心ならGoogle Workspaceを選ぶと業務に馴染みやすいです。機能面では、Microsoft 365は細かい自動化や条件分岐に強く、Googleはシンプルで直感的な操作性に強みがあります。
なお、どちらも標準機能だけでは複雑な承認ルートへの対応が難しいという課題があります。必要に応じてアドオンの導入をし、貴社で使いやすいように調整するのも一案です。

Microsoft 365を活用したワークフロー構築の本質は、申請・承認プロセスの自動化により、既存資産を活かしながら経営スピードの向上とガバナンス強化を同時に実現することです。
しかし、標準機能だけで全社的なシステムを構築する場合、日本企業特有の承認ルートや社内ルールとの乖離から、開発工数の肥大化や属人化といった課題が生じがちです。
サテライトオフィスの「ネクストセット・ワークフロー for Microsoft 365」を活用すれば、貴社の運用ルールにフィットした高効率なシステム構築が叶います。ワークフロー構築にお悩みの企業様は、ぜひ一度サテライトオフィスへご相談ください。
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