第59回


Gemini Notebook(旧:NotebookLM in Pro)の法人導入を検討している企業では、
「Proに変えるといくらかかるの?」
「無料版やEnterpriseとどう違うの?」
「どのプランが自社に合っているか判断できない」
といった悩みを抱えるケースが少なくありません。
Gemini Notebookの有料プランには、ProとEnterpriseがあります。Proが気になりつつも、他のプランとの違いがわからず、決めかねている企業は多いでしょう。
本記事では、Gemini Notebook in Proの料金や価値を、無料版やEnterpriseと比較しながら解説します。最後まで読めば、自社に合ったプラン選びができるようになるでしょう。

Gemini Notebook in Pro(旧:NotebookLM in Pro)は、GoogleのAIリサーチ支援ツールであるGemini Notebookの有料プランの一つです。
Gemini Notebookは一般的な検索エンジンとは異なり、利用者がアップロードした資料だけを根拠に、要約や質疑応答を行います。手元の資料の範囲で答えるため、回答の出典をたどりやすいのが大きな特徴です。
なお、Googleは2026年7月16日、AIリサーチツール「NotebookLM」の名称を「Gemini Notebook」に変更したと発表しました。単体サービスとしての位置づけや基本機能は維持されており、これまでのノートブックや共有リンクもそのまま利用できます。
Gemini Notebookのプランは無料版・Pro・Enterpriseの3つが軸になり、Proはちょうど中位にあたります。無料版の使い勝手はそのままに、扱える情報量や使える機能を引き上げた位置づけだと考えるとわかりやすいでしょう。

Gemini Notebook in Proの料金・内容を理解するには、まず他のプランで何ができるのかを知る必要があります。以下の表で比較しながらみていきましょう。
3プランの比較表
| 項目 | Gemini Notebook Standard(無料版) | Gemini Notebook in Pro | Gemini Notebook Enterprise |
|---|---|---|---|
| ノートブック数 | 100 | 500 | 500 |
| ソース数(1ノートブック) | 50 | 300 | 300 |
| 1ソースの単語数 | 50万語 | 50万語 | 50万語 |
| 1日のチャット質問 | 50回 | 500回 | 500回 |
| 1日の音声生成 | 3回 | 20回 | 20回 |
| 回答のカスタマイズ | × | ○ | ○ |
| チャットのみ共有 | × | ○ | ○ |
| 利用状況の分析 | × | ○ | ○ |
| データ所在地の指定・統制 | × | × | ○ |
| API連携 | × | × | ○ |
| 料金 | 無料 | Google AI Pro(月2,900円) 等に付帯 | 1ライセンス 月9米ドル前後(年間契約は割引オプションあり) |
※本表は2026年7月時点で公開されている各プランの内容に基づいて作成しています。最新の料金・仕様は各公式ページをご確認ください。
無料版は、その名のとおり月額0円で使えるプランです。個人のGoogleアカウントさえあれば、すぐに利用を始められます。
ノートブックは100個まで、1つのノートブックに取り込めるソースは50個までと、上限は控えめに設定されています。個人の学習や、少人数で試しに使ってみる段階であれば、無料版でもGemini Notebookの実力は十分に体感できるでしょう。
Proは、Gemini Notebook単体で課金するのではなく、上位のサブスクリプションに付帯する形で提供されます。個人向けであれば月額2,900円(2026年7月時点)のGoogle AI Proに含まれ、法人向けであればGoogle Workspaceの多くのエディションに追加費用なしで付いてきます。
上限は無料版から大きく広がり、ノートブックは500個、1ノートブックあたりのソースは300個まで増えます。チャットや音声概要の利用回数も引き上げられ、毎日使う運用にも耐えられる水準になるのが特徴です。
Enterpriseは、Google Cloudを通じて購入する法人向けの最上位プランです。料金は1ライセンスあたり月額9米ドル前後で公開されています(2026年7月時点)。契約は1年単位が前提となり、購入も最低15ライセンス(15人分)からとなるため、少人数だけ短期間で試すような使い方はできません。
為替や契約期間によって実際の請求額は変わるため、円換算の金額は見積もりの段階での確認をおすすめします。Proにはないデータ統制やセキュリティを効かせられることが、この料金差だといえるでしょう。

ここからは、無料版からProへ切り替えると具体的に何が変わるのかを、3つの観点に分けて整理します。
ノートブックは100個から500個へ、1ノートブックあたりのソースは50個から300個へと、いずれも大きく拡張されます。
チャットや音声概要の利用回数も無料版より増えるため、毎日使う運用でも上限に当たりにくくなります。
資料を大量に読み込ませて、継続的に活用する場合には、無料版よりも適しているでしょう。
Proでは、チームでノートブックを共有し、誰がどれだけ使っているかを把握できるようになります。部署内で同じ資料をもとに質疑応答や要約を回す、といった使い方がしやすくなります。
個人の調べ物として使っていたGemini Notebookを、組織のナレッジ基盤へと広げていく場面で便利な機能です。
回答の長さやトーンを調整し、用途に合った出力を得られるのもProならではです。定型の調べ物やレポート作成では、毎回こまかく指示を書く手間を減らせます。
無料版が標準的な応答に限られるのに対し、Proは使い込むほど自分の業務に合わせて出力を寄せていけます。アナリスト風の分析調や、社員向けのやさしい説明調など、相手に合わせた加工ができる点も実務では重宝するでしょう。

Proで足りるのか、それともEnterpriseまで必要なのかを判断するために、両者の差を3つの視点でみていきましょう。
最大の違いは、データをどこまで自社の管理下に置けるかです。Proはデータの所在地を指定できませんが、EnterpriseはGoogle Cloudのプロジェクト内に資料を保持し、所在地を指定できます。
VPC Service Controlsによる通信経路の制御、CMEKによる暗号鍵の自社管理、IAMやOIDC/SAMLでの認証連携は、ProにはなくEnterpriseだけが備える統制機能です。誰がどのノートブックにアクセスできるかを組織のルールで縛れるため、機密情報を扱う企業ではEnterpriseが前提になります。
EnterpriseはProより対応するファイル形式が広く、DOCXやPPTX、XLSXといったMicrosoft Office形式を変換なしで取り込めます。社内資料がWordやExcelで蓄積されている企業にとっては有効な差といえるでしょう。
さらに、API連携に対応するのはEnterprise版のみです。外部システムからのノートブック作成やソース追加を自動化できるため、定型的なドキュメント整理を仕組みで回したい企業ほど、Proとの差が際立ちます。
ノートブックやソースの最大数だけを見ると、ProとEnterpriseはほぼ同水準で、枠の大きさそのものに大きな差はありません。
違いが出るのは、複数の部署が毎日大量に使い続けるような場面での安定性や、利用状況をどこまで把握・統制できるかという運用面です。全社規模へ展開していくほど、Enterpriseの管理機能が安心材料になっていきます。
関連記事:NotebookLM Enterpriseとは?料金・機能や無料版との違いを徹底解説

ここまでの違いを踏まえて、自社にとってProが適しているのか、Enterpriseを選ぶべきなのかを見極めていきましょう。
数百件の資料を横断して分析するような職種では、無料版のソース数や質問回数では足りなくなります。こうした使い方をしつつも、扱う情報が社外秘ではなく、部署内での情報共有が中心であれば、Proで十分に対応できることが多いでしょう。
すでにGoogle Workspaceを利用している企業なら、まずは手元のProで運用を始め、過不足を見極めてから次を考えるのが現実的です。新機能はProを含む一般向けで先に展開され、Enterpriseにはやや遅れて届くことがあるため、最新の機能をいち早く試したい場合にもProは向いています。
一方で、契約書や人事情報、未公開の経営データなど、社外に出せない情報をAIに読み込ませたい場合は、Enterpriseが選択肢になります。データを自社環境に閉じ、アクセス権限を組織のルールで管理できることは、Proでは代えがききません。
15ライセンス以上の利用が前提となる規模であり、全社的なAI活用基盤を整えたいという意向がある場合も、Enterpriseを後押しする条件だといえるでしょう。

Proの上限と機能が、実際の業務でどう生きるのか。担当者がイメージしやすいよう、職種別の活用シーンを挙げます。
数百点の製品カタログを読み込ませ、複数の条件を組み合わせて要件に合う部品を一括で絞り込めます。これまで担当者が経験を頼りに数日かけていた選定を、大きく短縮できるでしょう。
では、自社と競合の特許公報を読み込ませ、技術的に重複していると解釈されうる記述を根拠付きで抽出する、といった使い方ができます。膨大な資料のなかから人が見落としがちなリスクを拾い上げる作業に向いています。
では、多数の職務経歴書を読み込ませ、必須条件を満たす候補者を該当箇所の引用付きで一覧化できます。一次スクリーニングの時間を削り、有望な候補者との面談に集中しやすくなります。

利用開始の手順は、個人のGoogleアカウントか法人のWorkspaceアカウントかで異なります。それぞれの流れを押さえておきましょう。
個人で使う場合は、まずGemini Notebookにログインし、設定アイコンからアップグレードのメニューを開きます。あとは画面の案内に従って、Google AI Proへの加入手続きを進めるだけです。
加入が完了すれば、特別な作業は必要ありません。お使いのGemini Notebookが、自動的にProの機能へ切り替わります。
法人で使う場合は、従業員が個人でアップグレードすることはできず、組織の管理者が設定します。管理コンソールから、対象のプランやGemini for Google Workspaceのアドオンを追加してください。
そのうえで、利用させたいユーザーや組織部門にライセンスを割り当てると、Proの機能が有効になります。割り当てられた従業員は、自分のWorkspaceアカウントでGemini Notebookを開くだけで、Pro機能を使い始められます。
名称変更の反映は数週間かけて順次進められているため、画面上の表記がまだ「NotebookLM」のままになっている場合があります。名称が変わっていなくても、機能自体に変更はありません。
法人の場合、利用できるのはBusiness Standardなど一部のエディションに限られる点には注意が必要です。なお、このアップグレード手順はモバイルアプリからも同様に行えます。

いざ導入するとなったら、無料版で足りるのか、ProやEnterpriseまで必要なのか、判断しきれるか不安に思われたのではないでしょうか?
Gemini Notebookの料金は入り口が複数あり、既存のGoogle Workspace契約との兼ね合いまで絡むため、最適な構成は組織ごとに変わります。プランを選んで終わりではなく、権限設計や運用ルールづくりまで含めて考える必要があります。
サテライトオフィスは、Google Workspaceをはじめとするクラウドサービスの導入から日々の運用まで、数多くの企業を支援してきました。
無料版・Pro・Enterpriseのどれが自社に合うかの見極めから、エディションの確認、利用開始、運用ルールの整備まで、一貫してご相談いただけます。プラン選定でお迷いの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

Gemini Notebook in Pro導入を検討するなかで、よくある疑問をまとめました。
アップロードした資料やチャットの内容は、生成AIモデルの学習には使われないとGoogleが説明しています。入力した内容が、他のユーザーへの回答に転用されることもありません。
ただし、改善のためのフィードバックを自分から送った場合に限り、その内容をGoogleが確認することがあります。
機密性の高い情報を扱う場合は、社内のデータ取り扱いルールと照らし合わせて利用範囲を決めておくと安心です。より厳格にデータを自社環境へ閉じたい場合は、Enterpriseが選択肢になります。
関連記事:Gemini Notebookで学習させない設定方法|企業向けに安全な使い方を解説(公開後にリンク貼る)
自分が権利を持つ資料、または利用許諾を得た資料をソースにする限り、業務での活用は可能です。生成した要約やレポートも、社内資料や提案などに利用できます。
ただし、引用元の権利には配慮が必要です。第三者の著作物を無断でアップロードし、そのまま再配布するような使い方は避けてください。
解約すると、利用上限は無料版の水準に戻ります。無料版の上限を超えて作成していたノートブックは、新規作成や編集が制限される場合があります。
解約を予定している場合は、必要なノートブックや出力を事前に整理し、エクスポートしておくと安全です。あとから慌てないよう、運用ルールに解約時の手順も入れておくとよいでしょう。

Gemini Notebookのプランは、無料版、付帯するPro、そしてGoogle Cloudで購入するEnterpriseの3つがあります。
Proは多くのGoogle Workspaceに付帯し、無料版の上限拡張とチーム利用が主な価値になります。ProとEnterpriseの差は上限の大きさではなく、データ統制・セキュリティ・対応形式やAPI連携にあると捉えると、判断がぶれにくくなるでしょう。
料金表だけを見比べるのではなく、扱う情報の機密性と利用規模、既存契約との重複を合わせて見積もることが大切です。自社に合ったプランの見極めでお困りの際は、ぜひサテライトオフィスにご相談ください。
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