第87回


Google Meetの録画録画データは、Googleドライブに自動保存され、Gmail・Googleドライブ・Googleカレンダーを経由して関係者へ共有できます。さらに Gemini による自動メモ・文字起こし機能と組み合わせることで、会議後の情報整理工数を大幅に削減できる環境が整いつつあります。
本記事では、Google Meet の録画機能を利用するためのプラン条件と比較表、実際の操作手順、保存先・共有方法、AI機能による文字起こしの活用、そして録画できないときの社内トラブル対処まで、企業のIT担当者が実務で必要とする情報を体系的に解説します。

Google Meetの録画機能は、Google Workspaceの有料プランのうちBusiness Standard以上でのみ利用できます。かつては個人向けのGoogleアカウントでも録画が可能でしたが、現在は無料版Google Meetでの録画機能の提供は終了しています。企業でGoogle Meet を活用する際は、必要な機能とプランの対応関係を正確に把握した上でライセンスを選択することが重要です。
以下の比較表で、各プランの録画対応状況を確認してください。プラン選定の段階でこの情報を把握しておくことで、後からのアップグレード対応に伴う運用コストを防げます。
| プラン | 録画機能 | 最大参加人数(Meet) | 録画の保存先 |
|---|---|---|---|
| Business Starter | × 不可 | 100名 | ― |
| Business Standard | ○ 可能 | 150名 | Googleドライブ |
| Business Plus | ○ 可能 | 500名 | Googleドライブ |
| Enterprise Standard | ○ 可能 | 500名 | Googleドライブ |
| Enterprise Plus | ○ 可能 | 1,000名 | Googleドライブ |
Business StarterでGoogle Meetを利用していて録画を必要とする業務が増えてきた場合は、Business Standard へのアップグレードが現実的な選択肢となります。プラン変更に伴うコストや機能差については、Google Workspace の正規代理店に相談することで自社に合った最適なプランを確認できます。
Business Standard以上のプランを契約していても、組織の管理者(Google Workspace 管理者)が管理コンソールで録画機能を無効化している場合、ユーザーは録画ボタンを使えません。管理者はGoogle Workspace管理コンソールの「アプリ」→「Google Workspace」→「Google Meet」→「Meet の動画設定」から「録画を許可する」を有効にする必要があります。
組織によっては特定の部門やユーザーグループのみ録画を許可する設定も可能です。全社一律ではなく組織単位(OU)で細かく制御できるため、情報セキュリティポリシーに合わせた運用の実現につながります。録画権限の範囲は情報ガバナンスの観点から慎重に設計してください。
デフォルト設定では、録画を開始・停止できるのは会議の主催者(オーガナイザー)か、主催者と同じGoogle Workspaceの組織に属するユーザーに限られています。参加者として招待された外部ユーザーや、別組織のアカウントには初期状態で録画ボタンが表示されません。
主催者が参加者にも録画権限を付与する場合は、会議開始後に画面右下の「アクティビティ」アイコンを開き、「ホスト設定」から「参加者が録画できるようにする」のトグルをオンにします。この操作は会議中いつでも変更可能です。ただし、外部参加者への録画権限付与は情報管理上のリスクを伴うため、組織の情報セキュリティポリシーと照らし合わせた上で判断してください。
注意:社外参加者への録画権限付与や、参加者に無断で録画を行うことは、個人情報保護法やプライバシーポリシーの観点からリスクを伴います。録画の開始前に参加者全員の同意を得ることを組織のルールとして明文化しておくことを推奨します。

録画操作はすべてPCのブラウザ(Google Chrome 推奨)から行います。スマートフォンやタブレットのGoogle Meetアプリでは録画機能を利用できない点に注意してください。社内のルールとして「録画はPCから行う」と明示しておくと、操作ミスや「録画できない」といった問い合わせを未然に減らせます。
Googleカレンダーで会議を作成する際、事前に録画の自動開始を設定しておくことが可能です。カレンダーの予定編集画面で「Google Meet のビデオ通話を追加」した後、会議のオプションから「録画を自動的に開始する」を有効にすると、会議が始まると同時に録画が始まります。録画し忘れを防ぐ実務的な設定として積極的に活用してください。
会議中に手動で録画を開始する手順は以下のとおりです。
録画を開始すると、会議に参加しているすべての参加者へ「録画が開始されました」という通知が自動的に送信されます。参加者の認知なく録画が行われることはなく、透明性が担保されている点は重要です。
録画を停止するには、「アクティビティ」メニューを再度開いて「録画を停止」をクリックします。また、会議を終了(通話から退出)した場合も録画は自動的に停止されます。会議の終了と同時に録画が止まるため、終了前に「録画の停止」操作を忘れても、データが失われることはありません。
録画停止後、データはMP4形式に自動でエンコードされます。エンコード完了まで数分から、長時間の会議では1時間以上かかる場合もあります。保存が完了すると、主催者と録画を開始したユーザーのメールアドレスへ録画データへのリンクが記載された自動メールが届きます。Googleカレンダーの予定から開始した会議の場合は、カレンダーの予定内にも録画リンクが自動追加されます。

録画データがどこに保存され、どのように関係者へ届くかを体系的に理解しておくと、情報共有のフローが整理されます。Googleのエコシステムを前提とした設計になっているため、一度仕組みを把握すれば迷わず運用できます。
録画ファイルは主催者のGoogleドライブ「マイドライブ」内の「Meet の録画」フォルダに自動保存されます。ファイル形式はMP4で、「[会議名] ([日付])」という形式でファイル名が自動生成されます。Googleドライブ上で直接ストリーミング再生できるため、ダウンロードせずに確認作業が可能です。
録画データが「Meet の録画」フォルダに見当たらない場合は、エンコード処理が完了していない(数時間後に再確認)か、主催者のGoogleドライブの保存容量が上限に達しているかのいずれかが主な原因です。Googleドライブの使用容量はGoogleアカウントの設定画面から確認できます。組織単位でのストレージ管理が必要な場合は、Google Workspace の管理コンソールから各ユーザーの使用量を一覧で確認してください。
録画データの共有方法は大きく3種類あります。どの方法が適切かは共有相手と状況によって異なります。
| 共有方法 | 手順の概要 | 適したシーン |
|---|---|---|
| @Gmailで共有 | 録画完了メールを転送するか、Googleドライブから共有リンクを取得してGmailで送付する | 特定の相手へ個別に送りたい場合、外部ユーザーへの共有 |
| AGoogleドライブから共有リンク発行 | ドライブ上のファイルを右クリック→「共有」→「リンクをコピー」して送付する | チャットやドキュメントに貼り付けて複数人に一括展開したい場合 |
| BGoogleカレンダーから参照 | 会議予定の詳細欄に録画リンクが自動追加される | 招待済みの参加者全員に共有したい場合(最も手間が少ない) |
社内の定例会議など招待者が固定されている場合はGoogleカレンダー経由での共有が最も効率的です。外部の取引先へ共有する際は、Googleドライブの共有設定を「リンクを知っている全員が閲覧可能」に変更した上でリンクを発行し、必要に応じてアクセス期限を設定することをお勧めします。

録画機能と組み合わせることで特に効果を発揮するのが、Google Meetに統合されたGeminiによるAI機能です。会議の録画をただの動画として残すのではなく、テキストとして整理・活用できる形に変換することで、情報の利用価値が大きく高まります。
Google Meet の「自動メモ生成」機能は、会議中の発言内容を Gemini がリアルタイムで解析し、要点をまとめたメモをGoogleドキュメントとして自動生成する機能です。会議終了後、主催者のGoogleドライブにGoogleドキュメントとして保存されるため、参加者が手動でメモを取る手間を大幅に削減できます。
この機能は、Google WorkspaceでGemini機能が有効化されている環境でのみ利用できます。管理者はGoogle Workspace管理コンソールからGeminiのメモ機能を有効化する設定を行う必要があります。自動メモ生成を開始する際も、録画の開始時と同様に参加者全員へ通知が送信されます。
なお、自動メモ生成は英語をはじめとする複数言語に対応していますが、日本語での精度は発言の明瞭さや会議の進行速度によって変動することがあります。重要な会議では録画との併用を前提にした運用設計を推奨します。
Geminiの自動メモは会議の要点を要約した形で生成されますが、より詳細な記録が必要な場合は、録画データと合わせて文字起こし機能も活用するとよいでしょう。Google Meetでは会議中に字幕(キャプション)をリアルタイムで表示する機能があり、この字幕データを録画と組み合わせることで精度の高い記録が得られます。
専用のAI議事録ツールを導入することで、話者の判定(誰が発言したかの特定)も含めた精度の高い文字起こしと議事録の自動生成が実現します。サテライトオフィスが提供する議事録作成AIは Google Meetの録画音声に対応しており、会議の話者を自動で判定した上で議事録を生成します。Google Meet の録画機能と組み合わせることで、会議後の情報整理フローを自動化できます。詳細はサテライトオフィス公式サイトからご確認ください。
注意:Geminiの自動メモ・文字起こし機能の利用可能プランや機能範囲は、Googleの方針によって変更される場合があります。導入前に必ずGoogle Workspace公式ページまたは正規代理店で最新情報を確認してください。

Google Meet の録画機能に関するトラブルは「録画ボタンが表示されない」「停止後に録画データが見つからない」「保存に時間がかかりすぎる」の3パターンに大別されます。多くの場合は設定・権限・容量の確認で解決できるため、原因を体系的に整理しておきましょう。
録画できないケースの多くは、以下の2点のいずれかに起因します。
上記2点を確認した上でも問題が解決しない場合は、次の症状別対処表を参照してください。
| 症状 | 主な原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 録画ボタンが表示されない | スマートフォン・タブレットアプリを使用している | PCのブラウザ(Chrome推奨)からアクセスし直す |
| 録画ボタンが表示されない | 外部組織のアカウントで参加している(権限なし) | 主催者に録画権限の付与を依頼する |
| 録画が保存されない・見つからない | 主催者のGoogleドライブの容量が上限に達している | Googleドライブの空き容量を確保する |
| 保存完了まで時間がかかる | 長時間会議のエンコード処理に時間を要している | 会議終了後、数時間(長い場合は翌日)後に確認する |
| 録画中に動作が重くなる | PCのCPUやメモリへの負荷が増大している | 不要なブラウザタブやアプリを閉じて負荷を軽減する |
| 録画を開始したが途中で止まった | ネットワーク接続の不安定化 | 有線LAN接続に切り替えて再試行する |
録画に関するトラブルの多くは事前の設定確認と、PCおよびネットワーク環境の整備によって予防できます。初めて録画機能を導入する際は、本番の重要会議で使用する前にテスト会議を設定して動作確認しておくことを強くお勧めします。

Google Meetの録画機能を組織全体で活用するには、適切なGoogle Workspaceプランの選定・契約から、管理者設定の最適化、AI文字起こし機能との連携設定まで、複数のステップを経る必要があります。個別の確認事項が多いため、Google Workspaceの専門知識を持つ正規代理店に相談することが効率的な近道です。
サテライトオフィスは、Google Workspaceプレミアパートナーとして5,000社以上の導入実績を持つ正規販売代理店です。ライセンス選定・販売から導入後の運用サポートまでをワンストップで提供しています。録画機能の有効化設定や独自アドオンツールを活用した会議効率化についてのご相談にも対応可能です。請求書払い・日本円決済に対応しており、導入支援は無料で提供しています。
現在のGoogle Workspaceプランや会議録画の活用に課題をお感じの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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