コラム

第91回

Googleドライブのダウンロード手順と制限|企業IT担当者向け

Googleドライブのダウンロード手順と制限|企業IT担当者向けGoogleドライブのダウンロード手順と制限|企業IT担当者向け

Googleドライブ(Google Drive)はクラウドストレージ(インターネット上のファイル保管サービス)として多くの企業に導入されていますが、「ファイルをローカル端末(PC・スマートフォンなどの本体ストレージ)へ取り出す」という操作は、場面によって手順が複数に分かれます。PCのブラウザ経由とスマートフォンのアプリ経由では操作が異なり、フォルダ単位での一括取得にはZIPファイルへの変換処理が伴います。さらにGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートはGoogleネイティブ形式で保存されているため、外部提出時にはMicrosoft Word(.docx)やExcel(.xlsx)への変換エクスポートが必要です。

企業のIT担当者にとって重要なのは、操作手順の理解だけにとどまりません。「ダウンロードできない」というユーザーからの問い合わせに迅速に対応するための原因切り分けと、管理者として社内のダウンロード行為を適切に制御するセキュリティ設定の両面を把握しておく必要があります。本記事ではこれらの情報をまとめて解説します。

Googleドライブのダウンロード機能と企業での主な利用場面

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Googleドライブからのダウンロードとは、クラウド上に保存されているファイルをPCやスマートフォンのローカルストレージに複製する操作です。クラウド上のオリジナルファイルはそのまま残るため、ダウンロードはコピー操作に相当し、元のデータが削除されることはありません。

ひとくちに「ダウンロード」といっても、業務上で発生する場面は多様です。主なケースを整理すると以下のとおりです。

  • ・取引先や社外パートナーから共有リンクで送られたファイルを手元の端末に保存したいとき
  • ・インターネット接続が不安定な移動中や現場作業時のために、オフラインで参照できる状態にしておきたいとき
  • ・GoogleドキュメントをMicrosoft Word形式に変換して、社外への提出物を作成するとき
  • ・退職予定者のGoogleドライブデータを組織として一括バックアップ・引き継ぎするとき
  • ・データ移行やシステム連携のため、Googleドライブ以外のストレージサービスへファイルを移すとき

利用場面によって対象が「単一ファイル」なのか「複数ファイル・フォルダ」なのか、また保存形式がどうあるべきかが変わります。それぞれの操作パターンを知っておくことが、社内での問い合わせ対応や運用ルール策定に直接役立ちます。

PCブラウザからGoogleドライブのファイルをダウンロードする手順

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PCでGoogleドライブを利用する場合、Webブラウザ(Google Chromeなど)からdrive.google.comにアクセスして操作するのが基本です。以下では単一ファイル・複数ファイル・フォルダの3パターンに分けて手順を説明します。

単一ファイルのダウンロード

ダウンロードしたいファイルを右クリックし、表示されるコンテキストメニューから「ダウンロード」を選択します。または、ファイルを左クリックで選択した状態で画面右上の「その他のオプション(縦三点アイコン)」を開き、「ダウンロード」をクリックする方法でも実行できます。PDFや画像、Microsoft Officeファイルはそのままの形式でダウンロードされます。なお、ファイルを開いた状態でも、メニューバーの「ファイル」→「ダウンロード」から実行可能です。

複数ファイルの一括ダウンロード

複数のファイルをまとめて取得するには、Ctrlキー(Macの場合はCommandキー)を押しながら各ファイルを左クリックして複数選択し、右クリックメニューから「ダウンロード」を選択します。複数ファイルを選択してダウンロードすると、Googleドライブは自動的にZIPファイルに圧縮してまとめて提供します。端末に保存されたZIPファイルを展開(解凍)することで、個々のファイルを取り出せます。

フォルダ単位での一括ダウンロード

フォルダごとダウンロードしたい場合も操作は同様です。対象フォルダを右クリックして「ダウンロード」を選択すると、フォルダ内のすべてのファイルがZIPファイルにまとめられてダウンロードが開始されます。このとき、フォルダ内にGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどGoogleネイティブ形式のファイルが含まれている場合、ZIPファイル内でMicrosoft Officeの対応形式(.docx・.xlsx・.pptxなど)に自動変換されて格納されます。

フォルダの一括ダウンロードにはサイズ上限があります。Googleドライブでは一度にダウンロードできるZIPファイルは最大2GBまでとされており、これを超える場合は複数のZIPファイルに自動分割されます。大容量のフォルダをまとめて取得する際は、サブフォルダに分けてダウンロードするか、「パソコン版ドライブ」アプリ(デスクトップ同期ツール)の利用を検討してください。

ダウンロードの処理速度はファイル数・総容量・ネットワーク環境に依存するため、大量のファイルを扱う場合は有線LANなど安定した通信環境での実施を推奨します。ZIPへの圧縮処理はGoogleのサーバー側で行われるため、処理が開始されるまで数秒から数十秒かかる場合があります。

スマートフォン・タブレットでのダウンロード手順(iPhone・Android別)

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スマートフォンやタブレットでGoogleドライブからファイルを取り出す方法は、iOS(iPhone・iPad)とAndroidで若干の違いがあります。いずれも公式アプリを使った操作が安定しており、モバイルブラウザからの操作は制限が多いためアプリの利用を前提として説明します。

iPhone・iPadでのダウンロード手順

App StoreからGoogle ドライブアプリをインストールしてサインインした状態で、ダウンロードしたいファイルの右横にある横三点アイコンをタップします。表示されるメニューから「共有とエクスポート」を選択し、次の画面で「ファイルに保存」をタップすると、「このiPhone内」や「iCloud Drive」など保存先を指定してローカルストレージに保存できます。

なお「オフラインで使用可能にする」を選んだ場合は、ファイルはGoogleドライブアプリ内にキャッシュとして保持されます。これはアプリ固有の保存領域であり、Google Driveアプリを削除するとデータも消える点に注意が必要です。写真や動画のファイルを「写真」アプリのカメラロールに保存したい場合は、ファイルを開いた状態で共有アイコン(四角+上向き矢印のアイコン)をタップし、「画像を保存」または「ビデオを保存」を選択します。

Androidでのダウンロード手順

Google Playストアから公式のGoogle Driveアプリをインストールし、ダウンロードしたいファイルの右横にある縦三点アイコンをタップして「ダウンロード」を選択します。保存先はAndroid端末の内部ストレージ内「Download」フォルダが基本で、端末のファイルマネージャーアプリから確認できます。

スマートフォンのアプリでは、フォルダをまとめてZIPダウンロードする操作に対応していません。複数ファイルを一括で取得したい場合は、PCブラウザからダウンロードするか、フォルダ内のファイルを個別にダウンロードする対応が必要です。この制約はiOSでも同様で、フォルダ単位の一括ダウンロードが業務上必要な場合はPC操作を選択してください。

Googleドライブでダウンロードできない場合の原因と対処法

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企業の現場では「Googleドライブからファイルをダウンロードできない」という問い合わせが発生することがあります。原因はいくつかのパターンに分類できます。IT担当者として最初に行うべきは、「権限の問題」なのか「ブラウザや環境の問題」なのかの切り分けです。

アクセス権限によるダウンロード制限

最も多い原因のひとつが権限設定です。ファイルオーナーが「閲覧者と閲覧者(コメント可)のダウンロード・印刷・コピーを無効にする」という設定を有効にしている場合、ダウンロードボタン自体が非表示になります。この状態ではどのブラウザを使っても同様の結果になるため、まずは権限起因の制限かどうかを確認します。確認方法は、ファイルオーナーに設定内容を問い合わせるか、IT管理者としてGoogle管理コンソールで当該ファイルの共有設定を確認することです。

ChromeのサードパーティCookieのブロック設定

GoogleChromeで「サードパーティのCookieをブロックする」設定が有効になっている場合、Googleドライブのダウンロード処理が正常に行われないことがあります。ChromeのアドレスバーにChrome://settings/cookiesと入力して設定画面を開き、「サードパーティのCookieをブロックする」がオンになっていないか確認してください。組織が管理しているChromeではGoogle管理コンソールのChromeポリシーで制御されている場合があるため、IT担当者として設定内容を確認することが必要です。

ブラウザのキャッシュや拡張機能の影響

ブラウザに蓄積されたキャッシュ(一時データ)が古い状態のまま残っている場合や、インストールされている拡張機能がダウンロード処理を妨げている場合があります。診断手順として有効なのは、シークレットモード(Chromeの場合はCtrl+Shift+N)でGoogleドライブにアクセスしてダウンロードを試みることです。シークレットモードでは拡張機能が無効化されるため、問題なく実行できた場合は拡張機能が原因と判断できます。キャッシュのクリアはCtrl+Shift+Deleteのショートカットで「閲覧データを消去」画面を開き、「キャッシュされた画像とファイル」を選択して実行します。

共有リンク経由でのダウンロード回数制限

「リンクを知っている全員」設定で広く公開されたファイルは、短時間に多数のダウンロードが集中するとGoogleのスパム防止機能により一時的にブロックされる場合があります。この状態は数時間後に自動解除されることが多いですが、社内ファイルの共有にこの方法を常用している場合は、リスク管理の観点からも個別アカウントへの権限付与またはGoogleグループを活用した共有方法への切り替えを検討してください。

ダウンロードしたZIPファイルの文字化け

WindowsでGoogleドライブからダウンロードしたZIPファイルを展開すると、フォルダ名やファイル名が文字化けする場合があります。これはGoogleドライブがZIPファイルをUTF-8(国際標準の文字コード)で作成するのに対し、Windowsの標準解凍機能がShift-JIS(日本語環境で歴史的に使われてきた文字コード)として読み込もうとするためです。対処法として、「7-Zip」や「Lhaplus」などUTF-8に対応した解凍ソフトを利用することで文字化けを回避できます。社内で統一の解凍ツールを指定しておくことが運用上の安定につながります。

ウイルス対策ソフトによるブロック

一部のウイルス対策ソフトやエンドポイントセキュリティ製品が、クラウドストレージからのダウンロードを脅威とみなしてブロックする場合があります。同様の操作が別のPCやネットワーク環境では問題なく動作する場合、端末にインストールされているセキュリティソフトの設定やアラートログを確認してください。特定のファイルタイプ(実行ファイルなど)が制限対象になっているケースが多く見受けられます。

Googleドライブのダウンロード制限の設定と管理

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Googleドライブのダウンロード操作に関するユーザー対応は、多くの企業でIT担当者への負担となりがちです。同時に、情報漏えい対策としてダウンロードを制限したい、あるいは退職者のデータ管理をより確実にしたいという組織的なニーズも増えています。Google Workspaceの管理者として設定できるダウンロード制限の概要を理解した上で、組織に合った運用方針を設計することが求められます。

Google Workspaceの管理者は、Googleドライブのダウンロード・印刷・コピーを権限レベル別に制御する設定を利用できます。ファイルオーナーまたは管理者が設定する方法と、Google管理コンソールで組織全体に適用するポリシー設定の2つのアプローチがあります。

ファイル単位での設定は、共有ダイアログの右上にある「設定アイコン(歯車マーク)」をクリックし、「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示する」のチェックを外すことで実行できます。この設定を有効にすると、「編集者」権限を持つユーザーはダウンロード可能なままですが、「閲覧者」「コメント可」権限のユーザーはダウンロード・印刷・コピーができない状態になります。機密性の高い資料を組織外の関係者に共有する際に有効な手段です。

共有権限の種類 ダウンロード制限を有効にした場合の挙動
オーナー 制限なし(常にダウンロード・印刷・コピー可能)
編集者 制限なし(ダウンロード・印刷・コピー可能)
閲覧者(コメント可) ダウンロード・印刷・コピーがすべて不可
閲覧者 ダウンロード・印刷・コピーがすべて不可

ただしこの制限はGoogleドライブのUI操作に対する制限であり、高度なブラウザ操作に精通したユーザーが存在する環境では完全な抑止力にはなりません。より高度な情報セキュリティが求められる組織では、ゼロトラストセキュリティの枠組みで端末レベルからのアクセス制御を実装する方法も選択肢となります。

組織に合ったGoogleドライブの運用方針を設計しよう

Googleドライブのダウンロード運用をはじめ、共有設定の標準化、退職者データの管理、組織外との安全なファイル受け渡しフローの設計など、Google Workspaceの運用課題は組織の規模や業種によって異なります。

「どの権限設定を選べばよいか判断できない」「社内ルールとGoogleドライブの設定が一致していない」「セキュリティポリシーの強化を検討したい」といった課題をお持ちの場合は、Google Workspaceプレミアパートナーであるサテライトオフィスにご相談ください。

サテライトオフィスは、Google Workspaceのライセンス販売から導入設定・運用サポートまでをワンストップで提供しており、管理コンソールの設定支援やセキュリティポリシーの設計についても対応しています。

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