コラム

第154回

Google Workspace Essentials Starterとは?無料版の機能・制限・注意点を紹介

Google Workspace Essentials Starterとは?無料版の機能・制限・注意点を紹介Google Workspace Essentials Starterとは?無料版の機能・制限・注意点を紹介

「Web会議やファイル共有だけでもGoogleを使いたいが、追加のライセンス費用は稟議が通りにくい」 「無料で使えるプランがあると聞いたものの、会社として社員に使わせて問題ないのか判断できない」

このような悩みを抱えるIT担当者は少なくありません。

Google Workspace Essentials Starterは、会社のメールアドレスさえあれば無料で登録できる、Google Workspaceのエディションです。既存のメール環境を変えずに、Google Meetやドライブ、ドキュメントの共同編集だけを導入できます。

本記事では、Google Workspace Essentials Starterでできること・使えない機能、上位プランとの違いや料金に加え、社内で利用する際にIT担当者が押さえておくべき管理上の注意点まで解説します。

Google Workspace Essentials Starterとは?

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Google Workspace Essentials Starterとは、既存のメール環境を維持したまま導入できる、チーム向けの無料エディションです。

一般的なGoogle Workspaceは、Gmailの独自ドメインのメールとセットで契約しますが、Essentials Starterはメール機能を含みません。すでにMicrosoft 365や自社メールサーバーを運用している企業が、Google MeetやGoogleドライブ、ドキュメントの共同編集機能だけを追加できる位置づけのエディションです。

主な特徴として、以下が挙げられます。

  • ・会社(独自ドメイン)のメールアドレスで登録
  • ・ドメイン所有権の確認が不要
  • ・1チームあたり最大100ユーザーまで無料※1
  • ・チーム単位での簡易的なアカウント管理

特に注目したいのが、ドメイン所有権の確認が不要という点です。IT管理者の承認がなくても社員が個別に登録できるため、手軽である反面、企業としては管理上の注意が必要になります。

まずは「メール以外のGoogleツールを、無料で試せるエディション」と理解しておくとよいでしょう。

※1 2022年6月3日より前に申し込んでいた場合は、上限が25ユーザーとなります。

Google Workspace Essentialsの3つのプラン

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Google Workspace Essentialsには、無料のEssentials Starterを含めて3つのエディションが用意されています。自社が求める管理・セキュリティ要件によって、選ぶべきプランは変わります。

【Google Workspace Essentialsのプラン比較】

比較項目Essentials StarterEnterprise EssentialsEnterprise Essentials Plus
料金(1ユーザー月額)無料問い合わせ問い合わせ
ユーザー数最大100人指定なし指定なし
ストレージ15GB/人1TB/人(プール)5TB/人(プール)
共有ドライブ×○○
ユーザーアカウントの作成・削除×○○
Google Vault(監査・情報開示)×○○
DLP・コンテキストアウェアアクセス××○
サポートなしエンハンストサポートエンハンストサポート

Google Workspace Essentials Starterでできること

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Google Workspace Essentials Starterでは、Googleの主要なコラボレーションツールを無料で利用でき、基本的な共同編集やWeb会議に必要な機能を利用できます。

利用できる主なサービスは、以下の通りです。

  • ・Google Meet(Web会議)
  • ・Googleドライブ(1ユーザーあたり15GB)
  • ・Googleドキュメント・スプレッドシート・スライド
  • ・Google Chat
  • ・Googleカレンダー
  • ・Googleフォーム・Keep・サイト

ただし、有料プランと比べて一部に制限がある点には注意が必要です。Essentials StarterのGoogle Meetは、1回あたり最長24時間、最大100人まで参加できます。ただし、録画、アンケート、Q&A、ブレイクアウトルーム、出席状況の確認、ノイズキャンセルなどは利用できません。

またGoogleカレンダーは利用できるものの、Starterではドメイン全体を対象とした高度な管理・共有ポリシーに制約があります。会議室などのリソース管理が必要な場合は、契約前に対応機能を確認してください。

「日常的な共同編集やちょっとした打ち合わせには十分だが、全社の業務基盤として使うには物足りない」というのが、実務上の評価といえるでしょう。

サテライトオフィスでは、Google Workspace Essentialsの導入検討から初期設定、運用・活用まで、貴社の状況に合わせてサポートしています。

サテライトオフィスのGoogle Workspace導入支援の詳細はこちら

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Google Workspace Essentials Starterで使えない機能

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Google Workspace Essentials Starterには、企業利用を前提とすると見過ごせない機能制限があります。ここでは、IT担当者が特に押さえておくべき5つの制限を解説します。

Gmail(独自ドメインのメール)は使えない

Essentials Starterでは、独自ドメインのGmailを利用できません。Googleの公式ヘルプでも、EssentialsエディションにGmailは含まれないと明記されています。

そのため、既存のメール環境をそのまま使い続けることが前提となります。Microsoft 365や自社メールサーバー、他社のメールサービスが別途必要です。

さらに、Gmailと連携する機能も利用できません。Gmail画面からGoogle ChatやMeetをまとめて使う、といった運用はできない点に注意しましょう。

メールを含めてGoogleに一本化したい場合は、Business Starter以上の契約が必要になります。

共有ドライブが使えない|ファイルが個人所有になる

Essentials Starterでは、組織でファイルを共同所有する「共有ドライブ」を利用できません。

保存先は、各ユーザーのマイドライブに限られます。つまり、業務で作成したファイルの所有権が、会社ではなく個人アカウントに紐づく状態です。

その結果、以下のようなことが懸念されます。

  • ・退職・異動時にファイルの所有権が個人に残る
  • ・担当者不在時に必要なファイルへアクセスできない
  • ・部署単位でのアクセス権限の一括管理ができない

「業務データは会社の資産である」という前提が崩れるため、共有ドライブの非対応は無料版で最も影響の大きい制限といえます。

管理コンソールでできることが限られる

Essentials Starterにも管理画面は用意されていますが、利用できるのはチーム単位の簡易的な管理機能にとどまります。チーム単位の管理はできますが、ドメイン全体を対象としたユーザーライフサイクル管理や高度なセキュリティ統制には対応していません。

具体的には、次のような運用が難しくなります。

  • ・組織単位(OU)による部署ごとの設定
  • ・全社共通のセキュリティポリシーの適用
  • ・詳細なパスワードポリシーやアクセス制御の設定
  • ・複数チームをまたいだ一元管理

同じ会社のドメインで複数のチームを作成できる仕様のため、部署ごとにバラバラのチームが乱立し、全体像を把握できなくなるケースもあります。

ガバナンスを効かせた運用を求めるのであれば、管理機能の制約は事前に把握しておく必要があります。

高度なセキュリティ調査ツールやVaultは使えない

Essentials Starterでも、基本的なログイベントレポートやアクティビティレポートは利用できます。

ただし、検索結果に基づく対処や対応の自動化などが可能なセキュリティ調査ツールは利用できません。また、データの保持や電子情報開示に使用するGoogle Vaultも対象外です。

関連記事: Google Vaultとは?できること・料金・使い方を徹底解説

DLP・データリージョン・エンドポイント管理に非対応

Essentials Starterは、高度なセキュリティ・データ保護機能に対応していません。

利用できない主な機能は、以下の通りです。

  • ・DLP(データ損失防止)による機密情報の持ち出し防止
  • ・データリージョンによる保存先の地域指定
  • ・エンドポイント管理によるデバイス制御
  • ・コンテキストアウェアアクセスによる条件付きアクセス制御

機密情報や個人情報を扱う部門での利用は、避けたほうが無難です。

Googleの有償サポート窓口がない

Essentials Starterには、Googleのサポート窓口が用意されていません。Googleの公式ヘルプにも、Essentials StarterではGoogle Workspaceサポートを利用できないと記載されています。

トラブル時に頼れるのは、ヘルプセンターやコミュニティフォーラムといったセルフヘルプの手段に限られます。障害発生時にすぐ問い合わせられる窓口がないことは、業務利用において見逃せないリスクです。

サポート体制まで含めて検討する場合は、有料エディションや販売パートナーの活用が現実的な選択肢となります。

Google Workspace Essentials Starterを業務利用する前に知っておくべき4つのリスク

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Google Workspace Essentials Starterには、機能制限とは別に、企業として管理する立場から押さえておくべきリスクがあります。ここでは代表的な4つを解説します。

リスク1.社員が個別に登録でき、管理外アカウントが増える

最も注意すべきは、情報システム部門の知らないところでアカウントが作られてしまうリスクです。

Essentials Starterはドメイン所有権の確認なしに登録できる仕様のため、会社のメールアドレスを持つ社員であれば誰でも登録できます。しかも、同じドメインで複数のチームを作成できます。

つまり、会社が把握していない業務データがGoogleドライブ上に蓄積される、シャドーITと同じ構図が生まれるということです。さらに、社員が先に登録していたことで、後から会社として正式にGoogle Workspaceを契約しようとした際にドメインが競合し、手続きが複雑になるケースもあります。

対処としては、次の2つが有効です。

  • ・管理外アカウントの有無を確認する
  • ・ドメインの所有権を証明し、既存アカウントを会社の統制下に置く

放置するほど回収が難しくなるため、早い段階での棚卸しをおすすめします。

リスク2.退職者のアカウントとデータを会社が回収しにくい

Essentials Starterでは共有ドライブを利用できないため、ファイルは各ユーザーのマイドライブに保存されます。

チーム管理者は退職者を削除する際にデータを別のメンバーへ譲渡できますが、譲渡を行わずに削除すると、管理者はそのデータを管理できなくなります。また、データ譲渡後も退職者への共有設定が残る場合があるため、所有権の移管と共有解除をセットで行う運用が必要です。

想定される事態として、以下が挙げられます。

  • ・退職者しか持っていない資料にアクセスできない可能性がある
  • ・取引先との共有ファイルの所有権が宙に浮く

対策としては、退職・異動時のデータ移管手順を事前にルール化しておくことが不可欠です。誰がいつまでに、どこへファイルを移すのかを決めておきましょう。

人の入れ替わりが多い組織ほど、このリスクは大きくなります。

リスク3.インシデント発生時に追跡するログがない

情報漏えいなどのインシデントが起きた際、Essentials Starterでは事実関係を追跡できません。

高度なセキュリティ調査ツールが提供されないため、「誰がいつ、どのファイルを外部共有したか」を後から確認する手段がないためです。

これは、単に原因究明ができないという話にとどまりません。

  • ・監査対応・報告書の作成ができない
  • ・取引先や顧客への説明責任を果たせない
  • ・再発防止策を根拠づけられない

インシデント対応では、ログの有無が企業の信頼を左右します。監査対応の義務がある企業や、取引先からセキュリティ要件を求められている企業では、Essentials Starterの業務利用は現実的ではありません。

リスク4.ユーザー数・ストレージの上限に達したときの選択肢が限られる

Essentials Starterは、上限に達したときの逃げ道が少ない点も理解しておく必要があります。

ユーザー数は1チーム最大100人、ストレージは1ユーザーあたり15GBです。そして無料版では、容量だけを買い足すことができません。

さらに厄介なのが、アップグレード先の制約です。

  • ・Essentials StarterからBusiness Starterへ直接アップグレードすることはできない
  • ・Enterprise Essentials以上へは移行できるが、機能・単価ともにオーバースペックになりやすい

「メールも含めてGoogleに統一したい」という自然な要望に対して、最も手間のかかる移行が必要になるということです。

実務上さらに難しいのは、上限に達するタイミングを選べない点です。繁忙期や入社シーズンなど、最も切り替え作業を避けたい時期に判断を迫られるケースは珍しくありません。

Essentials Starterで始めるのであれば、「いつまで・何人まで使うか」を最初に決めておきましょう。

Google Workspace Essentials Starterが向いている企業・向いていない企業

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ここまでの内容を踏まえ、Essentials Starterが適している企業と、そうでない企業を整理します。

向いている企業

Essentials Starterが向いているのは、利用範囲と期間を限定できる企業です。

具体的には、次のようなケースが挙げられます。

  • ・メールは既存環境のまま、Web会議とファイル共有だけを追加したい企業
  • ・本格導入の前に、少人数でGoogle Workspaceの使用感を試したい企業
  • ・機密性の高い情報を扱わない部署・プロジェクト単位で使いたい企業
  • ・Microsoft 365を利用しており、社外との共同編集手段だけを増やしたい企業
  • ・短期プロジェクトのため、期間限定で共同作業環境を用意したい企業

いずれも「会社の基幹システムとしては使わない」という前提が共通しています。

たとえば、社外パートナーとの共同編集が必要なプロジェクトチームであれば、追加コストなしで環境を整えられるメリットは大きいでしょう。上記のような限定的な用途であれば、Essentials Starterは有力な選択肢になります。

向いていない企業

一方、全社的な業務基盤として使いたい企業には向いていません。

以下に該当する場合は、有料プランの検討をおすすめします。

  • ・独自ドメインのメールを含めて一元管理したい企業
  • ・セキュリティ要件が定められている企業
  • ・従業員数が100名を超える見込み、または退職・異動が多い企業
  • ・個人情報や機密情報を扱う業務での利用を想定している企業
  • ・障害時に問い合わせられるサポート窓口を必要とする企業

これらの企業がEssentials Starterを選ぶと、後から管理・移行のコストが発生します。無料で得られたはずのコストメリットが、移行作業の工数で相殺されてしまうケースも少なくありません。

特に、退職・異動が多い企業では共有ドライブの非対応が致命的になりがちです。

「導入時の費用」ではなく「3年後の運用コスト」で判断することが、自社に合ったプランを考えるうえで必要です。

Google Workspace Essentials Starterの始め方

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Google Workspace Essentials Starterの登録は、会社のメールアドレスがあれば数分で完了します。

手順は、以下の通りです。

  • 1. 公式サイトから会社のメールアドレスを入力
  • 2. 届いた確認コードでメール認証
  • 3. 名前・パスワードの設定
  • 4. チームメンバーの招待(同じドメインのアドレスを持つ相手のみ)
  • 5. チーム管理画面での初期設定

登録自体は難しくありません。ただし、手間がかかるのはその先です。

誰に使わせるのか、どのアプリをオフにするのか、データの保存場所と移管ルールをどうするのか。こうした運用設計を決めないまま配布すると、前述した管理外アカウントやデータ回収の問題がそのまま発生します。

「登録は簡単、運用設計は難しい」というのが、Essentials Starterの実像です。IT担当者が兼務で対応するには負担が大きいため、初期段階から専門家に相談する選択肢も検討しましょう。

Google Workspace Essentials Starterの導入・運用はサテライトオフィスへ

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サテライトオフィスでは、Google Workspace Essentials Starterの導入検討から初期設定、アプリ開発、運用・活用まで、貴社の状況に合わせてサポートします。

「無料のEssentials Starterで始めるべきか、最初から有料プランにすべきか」といったプラン選定の段階からご相談いただけます。すでに社員が個別に登録してしまっている場合の統制や、有料プランへの移行支援にも対応しています。

業務アプリの内製化の進め方に迷われている場合も、まずはお気軽にご相談ください。

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Google Workspace Essentials Starterに関するよくある質問

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Q.Google Workspace Essentials Starterはずっと無料ですか?

A.ライセンス費用はかからず、無料で利用できます。試用期間の終了後に自動課金される仕組みではありません。ただし、1チームあたり最大100ユーザー、1ユーザーあたり15GBという上限があります。

Q.ドメインの管理者でなくても使えますか?

A.会社のメールアドレスがあれば、管理者でなくても登録・利用できます。登録時にドメイン所有権の確認は求められません。そのため、社員が情報システム部門の許可なく登録できてしまう点に注意が必要です。

Q.ストレージ容量はどれくらいですか?

A.1ユーザーあたり15GBです。共有ドライブがないため、保存先は個人のマイドライブに限られます。また、無料版では容量のみを追加購入することはできません。

Q.Business Starterにアップグレードできますか?

A.Essentials StarterからBusiness Starterへ直接アップグレードすることはできません。ただし、Enterprise Essentialsを経由するなど、既存環境を維持したままエディションを変更できる可能性があります。必要な手続きは契約状況やドメインの確認状態によって異なるため、Googleまたは販売パートナーへの事前確認が必要です。

無料で始められる一方、管理・セキュリティ面の制約は事前に把握が必要

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Google Workspace Essentials Starterは、既存のメール環境を変えずにGoogleのコラボレーションツールを無料で使える、手軽なエディションです。

一方で、Gmailや共有ドライブが使えません。また、高度なセキュリティ調査ツールやVaultが使えず、サポート窓口も提供されません。社員が個別に登録できる仕様上、管理外アカウントが増えるリスクも抱えています。

無料であることを理由に選ぶのではなく、利用範囲と期間を限定したうえで、上位プランへの移行を見据えて使い始めることが重要です。

サテライトオフィスは、Google Workspaceのプラン選定から導入・運用定着まで総合的にサポートしております。さまざまなニーズに対応したAIソリューションを強みとしていますので、業務効率化やAI活用をお考えの方はぜひお気軽にご相談ください。

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