コラム

第206回

Google Workspaceのスマート設定の使い分け|部門の基準と手順

Google Workspaceのスマート設定の使い分け|部門の基準と手順Google Workspaceのスマート設定の使い分け|部門の基準と手順

Google Workspaceを導入している組織で情報システムを担当しており、Gmailやカレンダーの画面に表示される「スマート機能」を組織全体でオンにするかオフにするか判断を求められている方に向けて、設定の仕組みと決め方を整理します。管理コンソールには複数の設定項目が用意されており、Gmail、Chat、Meetに関わる設定と、Google Workspace全体や他のGoogleサービスに関わる設定は、別々の項目として管理されています。

しかし、これまで5,000社以上のGoogle Workspace導入支援に携わってきたサテライトオフィスの立場から言えるのは、スマート設定は全社一律でオンオフを決める項目ではなく、部門ごとの業務内容やデータの扱い方に応じて使い分けるべき設定だということです。

本記事では、Google Workspaceのスマート設定が対象にする機能の範囲から、管理コンソールでの変更手順、部門ごとに判断を分ける際の基準まで、導入支援の実務視点で順を追ってお伝えします。

Google Workspaceのスマート設定が対象にする機能とデータの範囲

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Google Workspaceのスマート設定とは、Gmail、Chat、Meet、カレンダー、ドライブなどのサービスで、メールの内容や操作履歴といったWorkspaceデータを利用し、返信文の提案や予定の自動抽出といった機能を提供する仕組みを指します。

対象になる機能は一つにまとまっているわけではありません。とりわけ見落とされがちなのが、Gmail、Chat、Meetの設定、Google Workspace全体の設定、他のGoogleサービスの設定を、Googleが3つの別々の管理項目として提供している点です。Google Workspaceの公式発表でも、データの取り扱いをより細かく選べるようにするため、従来ひとつにまとまっていた設定が新たに2つに分割され、Gmail、Chat、Meetの設定と合わせて3つの区分になったことが説明されています。

  • ・Gmailの返信候補やスマート作成による文面の自動提案
  • ・カレンダーやメールに記載された日時からの予定の自動抽出
  • ・ドライブやWeb検索での関連ファイルの提案

いずれの機能も、日常的に作成するメールや文書のデータを土台にしており、設定をオフにすれば提案そのものが表示されなくなります。

Google Workspaceのスマート設定を分ける3つの区分

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先ほど触れた3つの設定は、対象にするサービスと影響範囲が明確に異なります。

いずれか一つだけを変更しても、他の区分の機能はそのまま動き続けます。まず区分ごとの違いを押さえましょう。

Gmail、Chat、Meetにおけるスマート機能とパーソナライズ

Gmail、Chat、Meetのスマート機能は、これら3つのサービスで作成したメールやメッセージ、会議の内容を分析対象にし、返信候補や要約といった機能に還元します。設定の変更は、Gmail画面右上の歯車アイコンから開く設定画面、または管理コンソールのアカウント設定から行います。

Google Workspace全体におけるスマート機能

2つ目は、Gmail、カレンダー、Chat、ドライブ、MeetなどGoogle Workspaceのサービス全体に関わる設定です。組織のWorkspaceデータをWorkspace全体の機能改善にどこまで使わせるかを決める項目で、有効にするとGmailに記載された予定のカレンダーへの自動反映や、ドライブでの関連ファイルの提案などに利用されます。管理コンソールのアカウント設定から変更します。

他のGoogleサービスにおけるスマート機能

3つ目は、Googleマップやウォレット、GeminiアプリなどGoogle Workspace以外のGoogleサービスに関わる設定です。組織のWorkspaceデータをこれらのサービスの機能改善にどこまで使わせるかを決める項目であり、管理コンソールのアカウント設定から変更します。

区分対象サービス主な設定場所
Gmail、Chat、Meetのスマート機能Gmail、Google Chat、Google MeetGmail設定画面、または管理コンソールのアカウント設定
Google Workspace全体のスマート機能Gmail、カレンダー、Chat、ドライブ、Meetなど管理コンソールのアカウント設定
他のGoogleサービスのスマート機能Googleマップ、ウォレット、Geminiアプリなど管理コンソールのアカウント設定

表の通り、変更する画面も対象になるサービスも異なるため、どれを直したいのかを先に切り分けてから設定に進むと迷いません。

Google Workspaceのスマート設定を有効にする業務上の利点と留意点

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設定を有効にするかどうかは、得られる効果とデータの扱いという両面から判断します。

メール対応や予定調整でかかる時間の短縮

返信候補やスマート作成が使えると、定型的な返信文をゼロから考える手間が減ります。カレンダーの自動連携が働けば、メール本文に書かれた日時をカレンダーに手作業で転記する作業も減らせます。日々のメール対応や予定調整に時間を割いている部署ほど、効果を実感しやすいはずです。

データの分析利用に伴う情報管理面の留意点

一方で、これらの機能はメールや文書の内容を分析することで成り立っています。取り扱う情報の機密度が高い部門では、内容が分析対象になること自体を業務上の論点として扱う必要があります。Googleは、Google Workspaceのコンテンツを広告表示の目的には利用しないと説明していますが、機能の提供に使う分析そのものは行われます。この違いを理解したうえで、部門ごとに許容範囲を決めることが欠かせません。

経理や法務など機密情報を扱う部門では、スマート機能を有効にする前に、分析対象になるデータの範囲を確認しておく必要があります。

確認を後回しにすると、有効化したあとに部門の運用ルールと食い違う場面が出てきます。

Google Workspaceのスマート設定を管理コンソールで組織全体に適用する手順

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組織全体の方針が決まったら、管理コンソールから設定を反映します。

管理コンソールでの設定変更の流れ

まず基本の手順を押さえましょう。

  • ・管理コンソールにログインし、「アカウント」から「アカウント設定」を開きます
  • ・「スマート機能とパーソナライズ」の項目で、Gmail、Chat、Meetに関する設定を選びます
  • ・Google Workspace全体の設定、他のGoogleサービスの設定は、同じくアカウント設定内の別項目からそれぞれ個別に変更します

3つの設定を続けて開けるようにしておくと、変更の抜け漏れを防げます。

組織部門ごとに設定を使い分ける場合の考え方

管理コンソールでは、組織部門ごとに異なる設定を割り当てられます。全社一律ではなく部門単位で設定を分けたい場合は、対象部門を組織部門として整理したうえで設定を適用するのが実務上の近道です。Google Workspaceの管理者向けヘルプにも、組織部門単位での設定変更手順が案内されています。

組織部門の整理や設定の反映作業に手が回らないときは、管理者業務を代行する運用サポートを利用する方法もあります。導入時の組織部門設計から日々のID管理まで代行を依頼できるため、設定を見直すたびに情報システム部門の負荷が増える状態を避けられます。

サテライトオフィスのGoogle Workspace導入・運用サポートの詳細はこちら

Google Workspaceのスマート設定をGmail画面から個人で変更する方法

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管理コンソール側で個人による変更を許可している場合、ユーザーは自分のGmail画面からも設定を変えられます。

変更できる項目を確認しながら、次の手順で進めます。

  • ・Gmail画面右上の歯車アイコンから「すべての設定を表示」を開きます
  • ・「全般」タブでスマート機能の項目までスクロールします
  • ・Gmail、Chat、Meetのスマート機能のオンとオフを選び、変更を保存します

この画面で変更できるのは、あくまでGmail、Chat、Meetに関する設定です。Google Workspace全体の設定、他のGoogleサービスの設定は管理コンソール側の権限が必要になるため、ユーザー個人の画面からは変更できません。ここが、管理者とユーザーの間で認識のずれが生まれやすい部分です。

Google Workspaceのスマート設定の判断が部門ごとに分かれるときの整理軸

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ここからは、比較記事ではあまり語られない、部門単位での判断の分け方に触れます。

営業部門のように社外とのメールのやり取りが多い部署では、返信候補や予定の自動抽出がそのまま業務時間の短縮につながります。一方、経理や法務のように契約書や個人情報を扱う部署では、内容が分析対象になること自体を避けたいという判断が出てきます。部門ごとに求める設定は、業務で扱う情報の性質によって大きく異なります。

部門の傾向設定の考え方
社外とのメール対応が多い部門(営業、カスタマーサポートなど)スマート機能を有効にし、返信候補や予定抽出を活用する
機密情報を扱う部門(経理、法務、人事など)スマート機能を無効にするか、対象データを限定したうえで有効にする

部門ごとに判断が分かれるのは自然なことであり、全社で1つの結論にそろえる必要はありません。

Google Workspaceのスマート設定の変更で誤解されやすいデータの扱い

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設定を検討する際に、事実と異なる前提で判断してしまう場面が見られます。

代表的な誤解を、実際の仕組みと照らして確認しましょう。

スマート機能を無効にすると、過去に送受信したメールのデータそのものが削除される、と誤解されることがあります。実際の設定は機能の提供にデータを使うかどうかを決めるものであり、既存のメールやファイルが削除されることはありません。

設定の変更は機能のオンオフであり、データの保存や削除とは別の話だと切り分けて考えると、判断に迷いにくくなります。同様に、一度オフにした設定を後から再びオンに戻せない、という認識も誤りです。管理コンソールまたはGmail画面から、いつでも再変更できます。この誤解を抱えたまま運用を続けると、必要以上に機能を制限してしまうでしょう。

Google Workspaceのスマート設定に関するよくある質問

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設定を検討する段階でよく寄せられる質問をまとめました。

Q. 設定を変更するとこれまでのデータは消えますか

消えません。スマート設定はメールやファイルといった既存のデータを削除する機能ではなく、それらのデータを新しい提案や要約の生成にどこまで使うかを決める設定です。

Q. モバイルアプリの表示にも設定は反映されますか

反映されます。設定はアカウント単位で保存されるため、パソコンとスマートフォンのどちらでGmailを開いても、同じ設定内容が適用されます。

Q. 部門や組織単位でオンオフを分けられますか

分けられます。管理コンソールで組織部門を分けておけば、部門ごとに異なる設定を割り当てられます。全社で足並みをそろえる前に、まず対象部門を組織部門として整理しておくと、あとの作業を進めやすくなります。

Google Workspaceのスマート設定は部門ごとの運用方針で成果が変わる

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ここまで、スマート設定が対象にする機能の範囲から、管理コンソールでの変更手順、部門ごとの判断軸までをお伝えしてきました。

要点を3つに整理すると、次のようになります。

  • ・スマート設定は、Gmail、Chat、Meetの設定、Google Workspace全体の設定、他のGoogleサービスの設定という3つの区分に分かれています
  • ・有効にするかどうかは、業務効率とデータの扱いという両面から部門ごとに判断します
  • ・組織部門を整理しておけば、部門単位で異なる設定を割り当てられます

スマート設定は、全社一律の一度きりの判断ではなく、部門ごとの業務内容に合わせて見直し続ける運用項目として捉えましょう。サテライトオフィスでは、Google Workspaceの導入支援だけでなく、組織部門の整理や管理者業務の代行を含めた運用サポートも行っています。部門ごとに設定の使い分けを検討する段階から相談したい場合は、これまでの導入実績をもとに、貴社の部署構成に合わせた設定方針の整理をお手伝いします。

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